【INSIDE RKU】 第3回 宮本優太
2022年シーズンより、浦和レッドダイヤモンズへの加入が内定している『宮本優太』
流通経済大学体育局サッカー部公式noteでは、これまでのサッカー人生や浦和への加入が内定するまでの裏話や宮本が考える大学サッカーの課題をお届けします。
【プロフィール】
DF 宮本優太
■生年月日
1999年12月15日
■身長/体重
170cm /69kg
■出身
東京都
■経歴
Forza'02→流通経済大学付属柏高校→流通経済大学
2022年シーズンより浦和レッドダイヤモンズ への加入が内定。
闘志あふれるプレーで観客を魅了し、抜群のリーダーシップでチームを牽引。
今シーズン副将を務める。大学リーグではベストイレブンを受賞。
これまでのサッカー人生を振り返る
ー宮本選手の経歴でいえば、順風満帆のように見えるのですが、
これまでのサッカ人生の中で挫折したことはありますか?
宮本:大学1年生の大学リーグ後期の明治大学戦です。その時は、1年生でリーグ戦に出させてもらっている中で、コンディションもメンタル的にも調子が良くて、どれくらい戦えるのかっていう意気込みで臨んだんです。
でも、いざ戦ってみると、全く何もできずに終わってしまって、結果も0-5とか0-6くらいで負けてしまったんです。その後のミーティングで、スタッフからは「このシーン良かったよ」とか「あのシーンは戦えてたね」っていうように声を掛けてもらってはいたんですけど、自分の中では全然納得いかなかったですね。
試合後、寮に戻ってきてチームメイトは治療室でリカバリートレーニングをやっていたんですけど、それにも行かずにたった1人、ベッドの中でボーッとしていました。先輩にご飯を誘われたんですけど、行く気力も無くてお断りしてベッドの中にいました。「こんなにも上手い選手がいるならこの先は無理なんじゃないか」「もうこれは敵わないかも」って本気で感じました。
ーその挫折からなにか立ち直るきっかけがあったのでしょうか。
宮本:やっぱり家族がきっかけでしたね。自分は母子家庭で育ってきて、プロサッカー選手にならないと家族が幸せになれないと思ってこれまでやってきたので、その時もお母さんや妹のことを考えると自分がやらなきゃっていうことを考えていました。
ー今シーズンは2回もの活動停止期間がありましたが、
その自粛期間での過ごし方を教えてください。
宮本:最初は、ひたすら筋トレをやっていましたね(笑)。ホテルでの自粛生活の時は、部屋の机とか全部どかしてスペースを作って、ひたすら筋トレって感じでしたね。上半身から下半身まで全部鍛えてました。あとは、Jリーグだったり海外の試合を観たりしてました。観てたって言っても、浦和レッズと自分の好きなチームのリヴァプールの試合しか観てないんですけどね。レッズとリヴァプールの過去の試合だったりとか観て筋トレくらいですね。もともと自分は、YouTubeとか見ない人だから、本当にすることがなくて(笑)。それと、とりあえず1人だったので、お母さんとずっと電話してました。毎日1時間くらいは普通に喋っていましたね。話の内容は、本当にたわいもない会話ですけど、例えばサッカーの話だったり、プロに行ってからの生活の話だったり、プライベートな話だったりですね。自分は、結構なんでも母親に話すタイプなんですよね。この前誰と遊んだとか、どんなことしたとか全部話しますね。そんな感じで自粛期間中は、筋トレとサッカーの試合を観たり、お母さんといろんな話をしたりしていました。
ー浦和レッズへの加入が決まる時に、妹との素敵なエピソードがあると聞いたのですが教えてください。
宮本:歳が12個離れた妹がいるんですけど、その子が2歳か3歳になる頃にはもう僕は高校の寮に行ってたんです。だから、妹と過ごしていた時間がものすごく短いんですよね。それで妹が「あと2年で帰ってくるね」っていう話を母親としていた時に「でも、優太がプロに行くクラブによっては、また離れ離れになっちゃうよ」っていうのを母親が言って、そしたら、妹がちょっとイヤな顔をして、「じゃあ優太はどのチームに行けばすぐに会えるの?」って言ったら、「近くだと、浦和レッズかFC東京だね〜」っていう会話をしてたみたいで、その後に電話がかかってきて、今の話を聞かされて、妹が「浦和レッズに行ってほしい」って言ってきたんです。でも、正直に自分は浦和レッズとかFC東京とかに行けるようなレベルじゃないと思ってて、厳しいかなと思っていました。だから、妹にも母親にも「厳しいと思う」って伝えました。でも、「妹が行ってほしいって言うなら、俺も頑張って浦和レッズにいくよ!」って言って、そこからもひたむきに頑張ってプレーしました。
インタビュアー:なるほど〜〜😳そんなエピソードがあったんですね。
宮本:自粛期間中に妹と浦和レッズの話をして、そこからはもう「おれはレッズに行くんだー!!」って言いながら、たつのこ山でトレーニングしたりとかしていたんです(笑)。そこから自粛が明けて、トレーニングマッチとかがあったんですけど、それが終わってから、僕と当時4年生だった伊藤敦樹選手(現・浦和レッズ)が監督に呼び出されたんです。その時は、キャプテンと副キャプテンの立場だったので、コロナのことで何かお話しがあるのかなって思って行ったら、監督が敦樹くんに「浦和レッズから正式オファーをもらえたから」っていうお話をされてて、その時僕は当然何も知らなくて、「え⁉︎おめでとうございます!」みたいな感じでいたんですよね(笑)。そしたら、監督が僕に「浦和レッズは優太にも声をかけてくれてて、正式オファーも出してくれるって言ってるから」っていうことを伝えられて、その時、妹が言ったことが本当に現実に起こって、すごいびっくりしたっていう裏話ですね。その後は、いろんな人と話をしたりして、敦樹くんともチーム状況どうなの?っていう話だったりとか、曺さん(現・京都サンガFC監督)にも相談したりしたんですけど、Jリーグの舞台を数多く経験している曺さんが「優太なら大丈夫だよ」って言ってくれたので、曺さんがそうやって言ってくれるなら、頑張って浦和レッズでやろう!って思って、最終的に浦和レッズに決めました。
ー来シーズンより、プロサッカー選手としての人生が始まります。
意気込みを教えてください。
宮本:プロサッカー選手としてやっていくわけで、浦和レッズという素晴らしいクラブでプレーさせてもらうわけですし、同じポジションにいるのが日本を代表するサイドバックでもある酒井宏樹選手なので、一層頑張りたいと思います。
酒井宏樹選手に勝つっていうのは口で言うのは簡単だけど、それを実現させるのは本当に難しいことだと思っています。
日本中のほとんどの人が僕は酒井選手に敵わないと思っていると思うんですけど、できると信じてくれている家族や友人だったりチームメイトの期待に応えられるように、努力していきたいと思っています。
現時点で敵わないと思っているわけでもないし、多少なりとも敵う部分はあると思っているので、その長所をどれだけ伸ばし切って勝負できるのかが鍵だと思います。高い壁だとは思うけれども、それを越えられたら今後のプレーする環境にも良い影響が出てくるのかなと思いますね。
ーセカンドキャリアについては何か考えていらっしゃいますか?
宮本:まずは、選手として35歳まではプレーし続けたいなと思います。でも、自分のプレースタイルはハードなプレーが多いので、どうしても30歳を過ぎると若い選手には敵わない部分が多く出てくるのかな、、、(笑)
引退をした後は、地元練馬区でお弁当屋さんをやりたいなって考えています。
付属高校時代に高校の近くにお弁当屋さんがあったんですけど、食べ盛りの僕はそこでよく食べてて、すごい助かったし嬉しかったので、そんなことを地元の子供達にしてあげたいっていう気持ちが一番にありますね。
お弁当屋さん以外にも、中学校だったり付属高校のコーチをやって、これまで自分を育ててくれたチームに恩返しできたらなって考えています。
ー最後に、大学サッカーの魅力と課題は何だと思いますか??
宮本:大学サッカーの魅力は、高いレベルのサッカーを毎週観ることができることですね。現に、流経大は今7人のJ1内定選手がいるわけで、去年でいうと明治大学が11人のJリーグ内定選手を揃えていたりしているので、そういった相手と戦えるっていうことはすごいことだと思うし、Jリーグを目指している選手にとっては良い環境になっているのかなとは思いますね。同じ学生同士で戦っている中で、レベルの高い試合を観ることができるっていうのは一つの魅力かなと思います。
課題は、まあ観客が少ないことですかね(笑)。最近は、コロナとかの関係で無観客なのでどうすることもできないですけど、有観客になった時にもっとお客さんが入ってくれると、こちら側からするとすごいモチベーションにつながるし、何よりもがんばろう!ってなるので、そういったところではお客さんが観に来てくれるとありがたいと思いますね。運営側やそれぞれのチームがすごい広報に力を入れて頑張ってくれていて、それが良い方向に進んでいるのは間違いないので、そこで大学リーグのことを知ってもらえればなと思いますね。
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流通経済大学が生んだお祭り男、宮本優太。
彼のバックグラウンドには、サッカーに対する想いや家族を想う気持ちが隠れている。
今シーズン限りで浦和レッズを離れる槙野智章 選手の血を引き継ぐのは、この男なのかもしれない。
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noteでお届けする連載「INSIDE RKU 」では、流通経済大学体育局サッカー部に所属する選手の裏話を紹介。
夢を追いかける裏側にある、それぞれの葛藤や苦悩、想いなどを発信していきます。次回もお楽しみに。
流通経済大学体育局サッカー部
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