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会田綱雄の詩論がすごくいい

日本の詩人に会田綱雄というひとがいた。彼の書いた詩のなかでもっとも有名なものは「伝説」である。その「伝説」がどのように生まれたかということを書いた詩論が「一つの体験として」という。

この詩論はほんとうに内容が素晴らしい。話として面白く、それでいて詩人としての感動的な主張がある。すでに絶版になっているが、現代詩文庫の会田綱雄の巻に収録されている。

別段長くもないので、ここで内容の紹介はしない。ただ、僕が影響を受けた創作論というものは実に数が少なく、リルケの「若き詩人への手紙」と会田綱雄の「一つの体験として」ぐらいだと思う。それほどこの詩論は抜きんでている。けっきょく創作論というのは技術ではなく、精神論なんだな、と今の僕は考えている。そういう意味では僕がブログに書いている記事はまったく内容がないと思う。まあ、別にそれでもいいだろう。あれはただの備忘録に過ぎない。