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DV被害者の苦悩 1

DVとは、マスコミで騒がれるだけではない。
今、急に起こったことでもない。

昔からあるものですが、2001年に日本にDV防止法ができました。公的な場所で「DV証明書」が発行されるようになりました。証明書がなくとも認められると、「支援措置」など配慮されるようですーーこのことは後々、綴ります。

身体的暴力、精神的暴力、性的暴力、経済的暴力、社会的暴力に大きく分けられます。

身体的ではない、精神的・社会的暴力のことをモラハラという方もいますが相手を罵ったり子供の前でも馬鹿にする言動・子供に無視させるようにするなどあるでしょう。
被害者に外出させない、生活費を渡さないなども該当します。


”男尊女卑”が根付いている社会ですからDVの加害者は男性の方が多いと言われています。女性を支配下におきコントロールしてしまいます。
加害者は、暴力・支配している・自分の都合にあわせて当然だと思っていますので大抵の場合は自分がDVをしているという認識がないことが少なくありません。

子供が暴力のある家庭で育つと、

1.
「自分の思い通りにならないと暴力で相手を従わせてしまえばいいんだ」という価値観がうえつけられます。
なので、その子供が大きくなった時にDVを行う傾向があります。

虐待と同じで子供が暴力を学校や職場、恋愛をしたとき、結婚した時に暴力を働くかもしれませんし、

それとも・・・

2.
暴力におびえてしまい弱々しくなる。その弱々しい雰囲気、顔つきをよからぬ人がキャッチするとイジメにつながる可能性があります。
恋愛、結婚した時に自分が被害者側になってしまう可能性もあります。


DVやデートDVはあってはならないことです。性暴力や虐待と同じように。
DVをみせることは虐待の1つであると一応は児童相談所で規定されています。(ただ、証拠がないので取り組まれにくいのが残念です)

学生や社会人で恋愛してる関係、まだ未婚であったり一緒に生活を共にしていないデートDVについては、ここでは触れないでおきます。

2001年にDV防止法が日本に出来ました。その後、3回ほど改正されています(最後の改正は2013年)

年々、DVについて相談する人は増加している。女性相談センターや警察の生活安全課、DV防止支援センター(地域で呼び方は違う)が出来てきました。NPOや自助グループでもメールや電話相談が可能な所があります。これも、行政では被害者のフォローに追いつかないので、とても有意義な存在だと思います。ただ、まだそれでも被害者に対して寄り添えることは足りません。


それによって、離婚するかしないかということも増えています。離婚をするかしないかについては、被害者にも考えやエネルギーが必要ですので、ご本人のその時の気持ちにまかせるしかありません。

ただ、被害者本人も、
「もう、命があぶない」と感じたときには、近くの交番や警察、近所の家に、病院などに、即、駆けこんでください。


すぐに離婚するか別居するかは別として、DV被害者の場合は家を出てから大きなメンタルの落ち込みがあります。それは、あまり知られてはいません。
多くの場合、PTSDやうつ病、乖離(かいり)になり後々苦しんでしまいます。

「なぜ安全な場所に移動したのに、うつ病になるの?」
「なぜ離婚して、元夫とは離れたのにPTSDになるの?」

(PTSD:心的外傷後ストレス障害 ⇒ 震災後や大きなショックを受けた時に症状が出ます)

「大丈夫なんじゃないの?」

だって、もう暴力は受けていないんだから・・・。

    いいえ!

被害を受けてる時も被害者は苦しいですが、感覚がマヒしてしまってることが多いのです。暴力のある場所から安全な場所にいくけれど、心が正常にもどっていく。
それまでは心にフィルターをかけていました。辛さをそれ以上感じないように、心に壁をつくるのです。
それが、正常に戻るときに、パッとすぐに戻ることが出来ません。

パンドラの箱が開けられてしまって感情があふれてくるのですね。なぜなら、自分を守るために閉じていたのです。それ以上、苦しまなくていいように。

それが、周りの人たちが理解できにくいものです。

コップから水が泉のようにあふれるようにあらゆる感情がザワーと出てくるのです。

どんな感情があふれるの? --例えば下記のもの

・イライラ
・焦燥感
・悪夢
・不安感
・過食、あるいは、食欲がない
・フラッシュバック(例えば、DV加害者に似てる人を見ると昔されたことがパッと浮かぶ)

なので、

「もう平気なんじゃないの?」
「なぜ暴力のないところにいて、メンタル弱くなるの?」
それは、被害者にとって2次被害とよばれ、傷ついているのに、さらに傷が上塗りされてしまうのです。

「辛かったんですね。今も苦しいんですね」
「よく頑張ってきましたね。今は、無理はしないで」
「ゆっくり、過ごしていきましょうね」

こんな【共感】は、被害者の心を少しいやす言葉になるでしょう。

DV被害者やストーカー、性暴力被害者は悪くないんです。悪いのは加害者。

「あなたは悪くない」
そんな言葉も、辛い被害者にはホッとするでしょう。

*「頑張って」「早く忘れて」これらの言葉もタブーです。(DV被害者以外のPTSD、うつ病の方やなんらかのメンタルが落ちてる方にもタブーです)

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青山桜子
読んでいただき、ありがとうございました。 心理職以外の仕事の1つとして、DV被害で困ってる方々に情報提供をしています。そちらへの支援に使わせて戴きますね。