ビンテージのノイマンU87と定番U87Ai、AKGのC414EB、Aston Spiritをピアノの音で聴き比べ出来る動画を作りました
ビンテージのノイマンU87と定番U87Ai、AKGのC414EB、Aston Spiritをピアノの音で聴き比べ出来る動画を作りました。最初はマイクを切り替えて再生、続いてそれぞれのマイクの演奏も収録しています。感想お聞かせください。
録音にあたり
録り音のレベルで合わせましたが、そもそもビンテージのノイマンU87と現行のU87Aiではゲインが全然違います。U87の方がだいぶ低いのでゲインを稼ぐ必要がありますが、S/Nの良いプリアンプがあれば問題ありません。
C414EBはさすがのサウンド。この中で唯一5万円以下クラスのAston Spiritがどこまで頑張っているか聞いてみてください。
マイクの聴き比べは、複数のマイクを立てて同時に録音するやり方と、マイクを取り替えながら何度も演奏する方法がありますが、後者のやり方で収録した上で編集しています。
※Neumann U87とAKG C414EBは サウンドウーノ さんの所有機材です
実際に録音して聴き比べしてみた自分の感想
Neumann U87とU87Ai
(ビンテージの)U87はやはり素晴らしい。不満点特になし。高価なマイクなので気を使うくらい。U87AiはU87と比べて出力が大きく使いやすい。Aiの方が高域はわずかに特徴的だけどほぼ誤差。U87と同じ感覚で使える。おそらくU87AiよりU87の方が上が少しロールオフしているんだろうけど、U87の音の方が音楽的に感じる。
AKG C414EB
C414EBはノイマンと比べると少しカリッとした音。私はピアノソロ演奏ならノイマンの方を選ぶが、ピアノと他の楽器や歌を合わせるならぜひ使いたい。
Aston Microphones Spirit
今回、編集で各マイクの音を切り替えて再生したかったので、テンポが合うようにクリックとピアノの録り音をヘッドフォンで聞きながら演奏している。
そもそもピアノは目の前で生のピアノの音が鳴っているので、ヘッドフォンでモニターして弾きにくい楽器だ。ヘッドフォンしてても生音も耳に入ってくるので、ヘッドフォンをどのくらいの音量にすればよいかは慣れが必要だろう。
クラシックのピアニストは、自分の音をヘッドフォンで聞きながらレコーディングする機会はほとんどないだろうし、ジャズの人もヘッドフォン使わない場合もあるので、生ピアノをヘッドフォンモニターで演奏するのに慣れているのはポップスのレコーディング主体のピアニストになるのだろうか。
で、自分でも発見だったのだけど、今回マイク4種で、ヘッドフォンモニターでの弾きやすさに差はあった。困るほどではないけど、強いていうとSpiritが少し弾きにくかった。いや、弾きにくはないけど、ノイマンの方が弾きやすかった。
これは録音した波形を見ても思ったのだけど、ノイマンの方がダイナミックレンジが広く、強弱の再現が高い。Spiritは使いやすいレンジにうまく音を収めてくれるような作用を感じる。
なので、EQもコンプもせずにヘッドフォンに録り音がダイレクトに返ってくる状況で、「自分は今こう弾いている」という自分の脳の働きとノイマンの音の方がシンクロする部分が多い。
そこら辺がU87やU87Aiが定番になってきた由縁なんだろうと思う。
マス工房model359
ピアノも収録日も違いますが、参考としてマス工房のコンデンサーマイクmodel359を録音した動画もありますので掲載しておきます。
通称「ねこマイク」として、放送局やアーティストのコンサートでも使われている実績の高いマイクです。ノイズが少なく、少しオフ目に立ててもリアルな音が録れる不思議なマイクです。
ペンシル型コンデンサーマイクの聴き比べ動画もあります
Neumann KM 184(単一指向性)と KM 183(無指向性)、そしてKM 184をモデリングして開発したと言われているRODE NT5(単一指向性)の比較。
PAやレコーディングで使用される、DPAとSchoepsのペンシル型コンデンサーマイクの聴き比べができる動画です。
はじめに無指向性(Omni)のDPA 4006-TL、2006A、4090の比較を、続いて単一指向性(Cardioid)のDPA 4011A、2011C、Schoeps CMC64の聴き比べを収録しています。
また、「DPAの2000番台ってどうなの?」という声に答えるべく、DPAの4000番台のマイクと2000番台のマイクの聴き比べもできるようにしてありました。
低音が聞こえやすいヘッドフォンもしくはスピーカーでの視聴をおすすめします。
#U87Ai #C414 #Neumann #AKG #AstonMicrophones #DPA