雑記 - 8/29 遠野①
-1.行った場所・見たもの
・卯子酉神社(うねどりじんじゃ)
・五百羅漢(ごひゃくらかん)
・諏訪神社
・サムトの婆
・飢饉の碑
・カッパ淵(釣りのため再訪)
・キツネの関所
29日電動チャリの旅のルートを記載
-2.南部神社
ホテルのすぐ裏にある神社が気になっていたので、自転車を借りる前に一度登ってみようか、と思いホテルを出てすぐに南部神社へ向かった。
急な階段を登っていくとすんなり着くのかと思いきや全然すんなりつかなかった。
そして「熊注意」の看板。
鈴も何もないのでポケットに入れたスマホから爆音で✰꙳⋆⸜𝑷𝒔𝒚 - 𝒕𝒓𝒂𝒏𝒄𝒆⸝⋆꙳✰を流しながら歩いた。
開けた場所につき、到着か?と思ったら案の定到着ではなく、伊能嘉矩(いのうかのり)の碑があった。そして謎のカッパの待ち受ける手水舎なのかわからない何かがあった。水はあまり綺麗とはいえなかったので控えたがここだけ異様な空気感だった。
伊能嘉矩はというと、日本における郷土史研究の先駆けのような人で、『遠野夜話』をはじめとし、遠野の民族を研究していた人だ。
これは伊能の直筆原稿を引用して作られている碑だそう。
地味に神社への道と鍋倉城への道と…と別れていたので看板があっても正直若干迷いかけた。看板に遠野市の形を象ったと思われるゆるキャラがいた。
途中に先程の場所とは別に開ける場所があり、駐車場になっていた。
トイレもあるし、ベンチもあって険しいがいい散歩コースになりそうな感じだった。
鍋倉城というかつて城があった近くであるのもあり、遠野の街が見渡せて気持ちがよかった。
やっとの思いで神社に到着。とても綺麗に整備されていた。
狛犬の顔もチェック。かっこいい。
ただ一つ、
中でも驚いたのは
自動の蛇口が清水に取り付けられてる…。
「え、これ本当に出るのか?実は枯れてるから出てないとかじゃなくて?でも自動って書いてあるしな…」と思って手を差し出したら
全然普通に出た。
さて、神社を見回していたら七福神が皆様集合していらっしゃった。
この七福神は南部神社の早期復興や今後の発展、そして遠野市の福運大願成就を祈念して奉納されたものらしい。(「復興」に関しては見渡した限りだと詳しくはわからなかった。)
ご丁寧に真言の看板も用意してあるので、推し福神がいればその人に向けてコールができる。
私の近所の神社にはサブ社(言い方)に弁財天様がいるので、全体にご挨拶をさせてもらったのち、弁財天様の真言を唱えた。おんそらそばていそわか。
鍋倉城址へ行くことも考えたが今後のスケジュール的にあまりゆっくり見れなさそうなので、今回は諦めた。
-3.出発準備
ここまで長かったでしょう。
まだ出発してないんですよ。恐ろしいですね。
で、南部神社を拝んで今日もまた電動チャリの旅を開始、とその前に観光協会でもカッパの捕獲許可証が取得できるそうなので簡易版の許可証(220円)を取得。
カッパの捕獲許可証には二種類あり、サクッと取得できる通常の捕獲許可証と顔入りの捕獲許可証がある。
顔入りの許可証は少々値段が張るものの、本当の免許証のようなデザインでなかなか凝っているだけではなく、一年ごとに更新をすると免許証にきゅうりが増えて(爆笑)色も変わるという。
凝っている分、作成に時間がかかるので後日郵送となるがせっかくなので作成をお願いした。
デジカメでそれ用の写真を撮ってもらうのだが、「せっかくなのでスマホでもお撮りしましょうか!?」とサービスをされ私のスマホに「カッパを嬉しそうに掲げる自分の写真」が残った。
自転車のレンタル手続きをしている途中、ふと「本当に五百羅漢までチャリで行けるのか…?」と不安になったので窓口のお姉さんに尋ねてみた。
「あの、五百羅漢に今日行こうと思ってるんですが、チャリで行けるんでしょうか…。」
お姉さんが一瞬考えた後に一言。
「行けなくはないんですけど…。行くなら熊除けの鈴をお貸しします。」
観光協会で発行している地図を渡されて納得した。
五百羅漢のある山の近くに駐車場があり、そこまでは公道で問題なく行けるがそこに駐輪したのち15分〜20分程度山道をひたすら歩くことになる。
市立博物館の前にも熊が降りてきたことがあるということなので本当にびっくりする。これだけ山があっても食べ物がないのかと思うと少し切ない。
もしくは"人の味"を覚えたのか…。
間違いなく勝てないので、熊との邂逅を避けるべく熊除けの鈴をお借りして装備し、言われた駐車場へ向かった。
-4.卯子酉神社(うねどりじんじゃ)
駐車場までは街中の看板を辿っていけばスムーズに到着できた。
遠くに「ようこそ とおの へ」の文字が見える。多分高速道路で遠野来た人向けかな。
ここには約4つの見どころがある。
まず、1番の目当ての五百羅漢、愛宕神社、程洞(ほどどら)のコンセイサマ、そして卯子酉神社。
まず私は卯子酉神社へ向かった。なぜなら平地なので。
五百羅漢とコンセイサマは山の中だし、愛宕神社も階段を見ただけで卒倒しそうだったのでそりゃ平地の卯子酉にいくに決まっている。
そう、冒頭のリストに記載がないところから察して欲しいのだが五百羅漢に体力を吸い取られすぎてコンセイサマと愛宕神社は一旦諦めた。
普通に考えて愛宕神社で旅の無事を祈ってから五百羅漢に行くべきなのに階段を見て本当に絶望したので無理だった。
コンセイサマは五百羅漢の途中で別れ道があり、700mほど別ルートを登るとあるのだが、五百羅漢を見た後の私には気力が完全になかった。
コンセイサマは「金精様」と書き、男根信仰の神様である。
子宝だとか婦女子の病気平癒をはじめとした効能があると言われているが私は子宝とかにはたいして興味がないのでまあいいか…とスルーしてしまった。また少子化が進みますね。(知らんけど)
でもちょっと石と木でできた男根は見てみたかった。石棒って本当に面白くてかなり露骨な形をしているのですごいなと思うし、諏訪大社の信仰とも関連があるし。
まあ過ぎた話は置いておいて、卯子酉神社について書くと、範囲自体はかなり小さい。しかし、結ばれた赤い布の量が尋常ではないのでなかなか迫力があった。
卯子酉神社とは何かと軽く説明をすると、簡単に言えば恋愛成就の神様である。
かつてこの近辺一帯は大きな淵だったそうで、そこに住んでいた「淵の主」に男女の縁を祈願すると不思議に叶ったという伝説がある。
現在では祠の前にある木々の枝に、左手だけで赤い布を結びつけることができたら、縁が結ばれると云われており、赤い布がちゃんと用意されていたのでせっかくだからと私も「なんかいい感じの縁がありますように(適当)」みたいなことを書いて結んだ。
けれど、私は本気でないことに対してはどこまでも抜けているので「左手だけで結ぶ」という制約を忘れて普通に両手で結んだ。
淵の主も多分呆れていたと思う。
-5.五百羅漢
さて、準備が整ったので五百羅漢へ向かう。
腰に熊除けの鈴をぶら下げて意気揚々と山の中へ。
「まあでも山道とはいえ割と整備されているだろう」と思ったら全然山道だった。険しいし汗腺の死んでいる私ですら汗が顔を伝って行くのがわかった。
ただ、人が誰もいないので周りの音や光の動きに感性を全振り出来、とても気持ちのいい道のりだった。
しばらく歩くと前方が開け、コンクリートの舗装された道と、高速道路をまたぐ橋が現れる。普段高速道路から見る「あんなところどうやって行くんだ」っていう橋ってこういうことだったのかと一人で納得しつつ渡る。
景色がまた良くてこそこそkraftwerkのアウトバーンを歌った。
この橋を越えると、別れ道と東屋が見えてきた。ここまで来ればほぼ到着。
コンセイサマ行くか…?と悩んだがここから700mかと思うとやはり優先的に五百羅漢が見たいので五百羅漢へ。
今度は完全に山の中である。少し行くとたくさんの岩がゴロゴロ。
ギリギリ彫られているのが視認できるものがいくつか。
他はだいぶ苔と経年変化による削れで視認できるものが少なかった。私の近視がひどいだけだったらどうしよう。
五百羅漢というのは約200年前に東北で起こった度重なる飢饉による犠牲者を供養するため、大慈寺の義山和尚が自然の花崗岩に五百体の羅漢像を彫ったと言われている場所である。
このたくさんのゴロゴロした岩に一個一個…と思うとその苦労と途方もない時間を想像するだけではなく、これだけの行動を起こさせる恐ろしい飢饉の連続に心が痛む。
ちょっと気になったので上に登って行ってみるとこんな看板があった。
「秋葉山へ至る70m」
どういうこと!?
秋葉山は静岡では!?!?
岩手にもあるってこと!?!?!?
調べたけどマジで何も出てこなかった。岩手にも秋葉山はないっぽい。
結局この看板の写真だけ撮って疲れたからと降りてしまったけど、このまま70m登って行ってたら浜松にワープしてた可能性がある…?
もし何か知ってる人がいたらご連絡ください。
-6.下山
お目当ての五百羅漢も見れたので、下山を開始。
(登山ってほどでもないが)
一旦先程の別れ道に戻り、もう一度看板を見る。
700m…。
この後700mを登って降りて、またチャリを漕ぐことを考えた。
無理すぎる。降りよう。
山を降りている途中、「そういえば熊とか蛇ばかり警戒していたけど、虫の警戒を大してしていなかった。」と思った。
クモが異常に苦手なので頭上を一生気にしていたくらい。
幸いなことに特に腕や脚に痛みも痒みも出ていなく不思議なくらい刺されていない。
よほど私が嫌な匂いを発していたんだろうか…と謎の悲しさを感じつつ歩いていたら目の前から人が登ってくるのが見えた。
一人の男性で半袖短パン、めちゃくちゃな軽装。
羽田の無事を祈りながら挨拶して、その場を後にした。
-7.おわりに
今回は一旦ここまで。次は②で以下のことを書きます。
一個一個が今回ほどボリューミーではないので、今回と同じくらいか、少し短くなるかも。またよろしくどうぞ。
・諏訪神社
・サムトの婆
・飢饉の碑
・カッパ淵(釣りのため再訪)
・キツネの関所