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ルクセンブルク日帰り観光 2025

ベルギーでは最初のセメスターが終わり、大学は束の間の冬休みなので隣国のルクセンブルクに日帰りで行ってきました。

ブリュッセルからルクセンブルクは車で3時間ほど。7:00にブリュッセル北駅発のフリックバスに乗りルクセンブルクへ。フリックスバスとは欧州全域を走る格安バスです。

6時台のブリュッセルは土曜日にも関わらず、道を掃除する人やカフェで仕事前のエスプレッソを嗜む人もチラホラ。朝からご苦労様なのは向こうなのに、道路掃除のおじちゃんがbonne journéeと声を掛けてくれました。

うたた寝していたらあっという間にルクセンブルクに到着。フリックスバスの宿命、僻地のバス停に到着。

ルクセンブルク大公国
ベネルクスの「ルクス」🇱🇺。オランダの国旗🇳🇱と少し似ている。
面積:2,586 km² 神奈川県程度
人口:約67万人(2024年時)船橋市の法定人口より少し多いくらい
公用語:ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語
政治:立憲君主制をとり、代々大公が国家元首を務める
とても簡略な歴史
ローマによる支配に始まり、フランク王国、神聖ローマ帝国、ブルゴーニュ公国、ハプスブルク家の一部を経て1815年のウィーン会議にて現在の大公国の地位が与えられた。3度ほど割譲されたり常に周辺国に翻弄され続けていたが、現在はタックス・ヘイブンとして外国企業を誘致し欧州有数の金融センターとして機能している。

さて、ルクセンブルクに来た法学徒が1番に行くところと言えば、天下の欧州司法裁判所。

火曜日、水曜日、木曜日に行けば傍聴も可能です。今回は土曜日に訪問したので外から見るだけですが、バスと電車を乗り継ぎ裁判所へ。ありがたいことにルクセンブルクのバスには機能するUSBポートがついていました。これがベルギーだったら1/2の確率で機能しないんだろうな…

公共交通は全て無料なのがありがたい(電車の1等車は有料)
最寄駅 

本来なら最寄駅から歩いて15分ほどで着くはずが、出口を間違えたせいで雑木林を抜けることに。

どうやら駅が崖の中腹にあり、崖の「上」に続く出口から出なければいけないところを、間違えて下へ。降りてから間違いに気付くも、一旦プラットフォームに戻るのも面倒だったので脇にあるハイキングコースを選ぶことに。

東京駅で丸の内側から八重洲側に行くとき以上のめんどくささ
あの赤い橋まで行かないといけない

誰もいない雑木林だったので一瞬不安がよぎったものの、先人たちの作った獣道を信じて登ると一気にモダンな場所につきました。おそらくトラムかバスで行くのが分かりやすくて最適解。

雑木林を抜けると急にこんな風景が

崖の上にさえ到着すれば、少し歩いてすぐに欧州司法裁判所が見えてきます。欧州投資銀行もこの区画にありました。

欧州司法裁判所
1973年に建てられたそう

ここでの判決に我々は振り回されているのです。

見た目のかっこよさだけで言えばベルギーの最高裁判所の方がかっこいいですが、裁判所は華美な外見で権威を保つ必要はないので…欧州人権裁判所も絶妙な外見してるし(個人の感想です)

法学徒の義務を果たしたところで、同じ区画にあるモダンアートミュージアム(Mudam Museum of Modern Art、MUDAM)へ。

学生は無料と言われたけれど、後で調べたら学生は7€でした
なぜ無料だったのか
1番のお気に入り

この美術館は、ルーヴル美術館のあのガラスのピラミッドをデザインした中国系アメリカ人建築家のMing Peiによってデザインされたそうです。

この時はドイツの現代アーティスト、コジマ・フォン・ボニン(Cosima von Bonin)のエキシビジョンと「女性、アート、コンピューター」をテーマにしたエキシビジョンの二つが開催されていました。

その後例の赤い橋を渡り市街地へ。

まずはノートルダム聖堂を訪問。さまざまな建築様式(後期ゴシック様式、ルネサンス様式など)の影響を受けているこの大聖堂は1613年に起工され、以来ルクセンブルク教区で中心的な役割を果たしているようです。

ステンドグラス
iPhone 11の限界
外観

地下の礼拝堂(Crypt)には神聖ローマ皇帝ハインリヒ7世の息子であるヨハン盲目王が眠っています。

ボヘミア王とルクセンブルク伯を兼ねた彼はボヘミア(チェコ)にはほとんど住まずルクセンブルクに住みその発展に寄与したとか。地下の礼拝堂は入口がわかりにくいせいか、参拝者も少なく落ちついた雰囲気。

ヨハン盲目王のお墓

その後、綺麗な景色が見えるという沿岸の道(Chemin de la Corniche )に向かいました。天気予報を見てルクセンブルク行きを決めた甲斐があり、この日は雲一つない晴天でずっと歩いていても全く苦にならず。さすがにここまで終日晴れているのは数ヶ月ぶりかもしれない。

久しぶりに見る高低差のある景色
崖の下にはノイミュンスター修道院

ベルギー南東部からルクセンブルク、フランスの一部は「アルデンヌの森」と呼ばれ豊かな森林と丘陵が広がっています。

平地の続くフランデレン地域(ベルギー北部、いわゆるオランダ語圏)に住んでいるとなかなか見かけない景色ですが、ワロン地域(ベルギー南部、いわゆるフランス語圏)の一部でもこうした地形の街を見ることができます。

そのためか個人的なルクセンブルクシティの第一印象は、規模が大きくなったディナン(Dinant、ベルギー南部の都市)。

8年前に行ったディナン(ベルギー)
ルクセンブルクと似てる気が? 
少なくともフランデレンでは見ない景色

散歩を続けると「サンミッシェル教会(Saint Michael's Church)」に到着。ルクセンブルクシティ最古の教会でその起源は987年に遡るそう。再建と拡張を重ね、現在見られるゴシック様式とバロック様式が組み合わされた教会は1519年に建てらてました。

ノートルダム聖堂よりもこじんまりしていて良い

適度に疲れてきたので「ルクセンブルク大公宮(Palais Grand-Ducal)」の向かいに位置するホットチョコレートが有名な「チョコレートハウス(Chocolate House)」へ。ベルギーからルクセンブルクに行きベルギーチョコのお店に行く矛盾。

チョコレートの種類はたくさんある中から選ぶことができる
バターケーキも一緒に注文
ケーキも種類豊富

人気店のため店内は混雑しており、相席させてもらいました。お邪魔させてくれた子はフランスのリールに留学中のベトナム人の子で、お互い特に予定もなかったためこの後一緒に市内を回ることに。旅は道連れ、世は情け。

その後、午前に上から眺めた「ノイミュンスター修道院(Neimenster Abbey)」や「サンジャン教会(Eglise Saint-Jean-du-Grund)」に行ったり、お互いの留学生活を話ながら市内を散歩したり。

ノイミュンスター修道院
第二次大戦中はナチスによって政治犯がここに投獄されていた
修道院に隣接しているサンジャン教会

帰りのバスの時間も近づいたところで、お別れを言い一人バス停へ向かいました。リールはベルギーにとても近いので近々また会うことに。

最後にバス停近くのスーパーでお土産のルクセンブルクビールを購入。Cactusというはじめて見るスーパーでしたが、ルクセンブルク系のスーパーだそうです。

市内にはベルギー系のDelhaizeやフランス系のMonoprixもあり、ベルギーより外国チェーンが多い気も。イギリス系のカフェチェーンPret a Mangerもありました。

初めて見るスーパー
とりあえず有名らしいものを一通り

滞在時間7時間弱、ちょうど良い長さでした。
今度は平日に欧州司法裁判所の傍聴で行ってみます。

今回の旅行の総額:66.8€ (一万円ほど)
往復バス:42 €
朝食のパン:2.15 €
カフェ:13.45 €
お土産用ビール6本:9.2 €

物価はベルギーとそこまで変わらない印象でした


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