わたしと絵本【文章】
昔々、あるところに、
3匹の子ブタとガリバーがいました。
そんな謎の物語を創作したのは父だった。
3匹の子ブタはそれぞれ家を藁や木やレンガで作ったけれど、
ガリバーは鉄筋で作ったから無事、みたいな話。
文明の力技感がすごい。
そんなむちゃくちゃな世界観が我々娘たちに強烈なインパクトを残し、一時期は寝る前にその話をしてもらうのが日課だった。
そんな父の子である私の最初の作品は、「ハートとんぼチューリップ」。
ハートととんぼとチューリップが登場する、なんでその取り合わせにした?という愉快なメンバーの物語。実家でたびたび見かけていたから存在は覚えているけど、今どこにあるのかはもうわからない。
◇◇◇
中学生のとき、将来の夢の話になった。
私は当時のマイブームであった、小説を書く人になりたい、と友人に伝えたとき。
「みりこは、絵本作家が似合うと思うよ!」
私は当時、「絵本」に関しては、あんまりピンときていなかった。
当時、「大人」に認められるということに重きを置きがちだった私は、「ターゲットが子供」という職業が全然眼中になかったのである。(中学生の考えなので、世界が狭いことは目をつぶってほしい。)
「そうかなぁ」と返事をしつつ、いや、私は小説家になるんだ!と謎のこだわりを心の内で燃やしていたので、その言葉は特に覚えている。
◇◇◇
いまからちょうど1か月くらい前。
ふっと絵本になりそうな物語が私の中に降りてきた。
しかし、今まで絵本の世界には不見識だったために、
先人とネタがかぶっていたら…とか、絵本のセオリーもわからないし…と、形にするのを踏み出せずにいた。
SNS経由で友人に背中を押してもらいながらも、まぁ、いつか形にできたらいいか、と温めていた。
そんな中、k@sumiさんのこの企画を拝見した。
私はわりと「何かのために」という大義があればあるほど創作が進むタイプだと思う。ごはんだけでも食べられるけど、ごはんのおともがあればより進む、みたいな感じ。
今回、ちゃんと今描き上げよう、と思えたのは
この企画のおかげだと思う。
「世代も性別も立場も関係なく、いろんな方たちの絵本を読んでみたい、それが共有できたらどんなに楽しいだろう」これがこの企画の根っこです。
あまりにもタイムリーだったので、
興奮気味にコメントを残したら、記事中でk@sumiさんがそう応えてくださった。とてもあたたかいメッセージだ。
親でもないし、子ども期間は通り過ぎてしまった。教育も絵本のトレンドもわからない。それまで「おてて絵本」というジャンルも知らずにいた。そんな私だが、k@sumiさんの「書きたいように書いてもらう」コンセプトに乗っからせてもらうことにした。
私が動くことで、もし何かのプラスになるのならば、それはとてもうれしいことだ。
そうして降りてきた物語と、私の創作人生を掘り起こしていって、
完成したのが冒頭の「ハートちゃんのだいぼうけん」である。
主人公の男の子の名前は、私に「絵本作家が似合う」と言ってくれた友人のお子さんから拝借。
とんぼは、季節柄ちょうちょにバトンタッチした。
背中を押してくれた友達に、試し読みもしてもらった。
せっかくなので、もったいない精神でこちらにも応募をしてみた。
ブログにUPしてる作品も大丈夫!って書いてあるので安心。
念のため、簡単な使用のガイドラインのみ制定したので
使用される際はご一読ください。
≪ご使用に際して≫
・著作権は私(みりこ)に帰属します。
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とりあえず、なんでもやってみなくちゃ始まらないよね!
みりこの2021年は、そんな精神でお届けします。