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ありがとうコロン

6月6日の早朝…。私たちの家族が亡くなった。
ハムスターのコロンである。名付け親は娘であり母親役も彼女であった。
昨年6月の6歳になるバースデープレゼントがコロンだった。
ペットショップの飼育ケースの中。
あどけない顔で私たちを見上げてくれたのがコロンだった。
雪のように真っ白で、マシュマロのように柔らく、つぶらな黒い瞳…。
娘の「この子、可愛い」と零れ出る一言。
新しい家族との出逢いのスタートだった。

娘とコロンの二人(一人と一匹)は日増しに仲良くなった。
食べ過ぎで太り気味の娘と餌をあげすぎたせいか太り気味のコロンは、
良いコンビ。
亡くなる前夜も二人は仲良く遊んでいた。
私たち夫婦も毎日のように「コロン」と声をかけた。
今は、名前を呼んでも、そこには君のお家があるだけ。
でも、君と過ごした日常が私たち家族の笑顔と重なる。

「パパ コロン可愛いよ。持ってみる」

「落としちゃうから怖いよ」

「ママ コロンのお水を替えといてね」

「ちゃんと替えるから安心しなさい」

「パパ コロンのお家の掃除手伝って」

「いいよ。一緒にしようか」

「ママ コロン走るの早いよ」

「本当だ。すばしっこいね」
 

フルーツを頂戴と手を出す仕草。
ひまわりの種を頬っぺ一杯に詰めている顔。
少し重そうに回し車で走る姿。
美味しそうに水を飲み、気持ち良さそうな砂浴び…。
懐かしい思い出がたくさんある。
 

小さい箱に綿を敷き詰め、固くなった身体をそっと置く。
身体の脇にご宝前のお花を彩り、娘とお祈りを捧げる。
 
眠るように息を引き取った君は、最後まで良い子だったね。
1年という短い間だったけど、君と出逢えて嬉しかったよ。
霊界で気持ちよく走り回ってくださいね。
 
私たちの家族であり宝物だったコロン。
君のことを私たちは忘れません。
溢れんばかりの愛と感謝の心を込めて

「ありがとうコロン」そして「サヨナラ。」

合掌


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