riko

なるべく毎日書きます✊🏻

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最近の記事

あいにくコロナ禍だったもので

「大学時代はどんなことしてたの?」 「いやー、あいにくコロナ禍だったもので…」 定番のごまかし文句です わたしが大学2年生のとき、新型コロナウイルスが世界中に猛威を振るいました 街行く人の顔はマスクで見えず、 オンライン授業はつまらなかったことを 覚えています ただの大学生にも少なからず影響はあったし、 コロナ禍でなかったら出会えていた人もいるかもしれないと思います 「趣味は "動画鑑賞" です」 と自己紹介し、好きなYouTuberについて話し始めるゼミのメンバー

    • 「でがす」

      「でがす」 彼のおばあちゃんがよく語尾につける方言です です、とか、でございます、とか そんな意味合いなのかなと思っています 独特のなまりが可愛らしく、 聞くと、つい笑みがこぼれてしまいます 夏の終わり、宮城県石巻市にある、 彼の実家に行くことになりました 電話口で聞いていた「でがす」を 生で聞けるかもしれないことに わたしは胸を躍らせていました 新幹線とバスを乗り継いで到着すると 関東よりもずっと涼しく、 風にすすきが揺れていました 田んぼには稲穂が黄金色に輝いて

      • おばあちゃんになりたい

        「ここ最近ずっとおばあちゃんになりたい」 この気の抜けた一言が、 わたしを本の世界に引き戻してくれました 「まだ若いんだから元気に働かなくっちゃ」 「これからはあなたに合った働き方を」 「命を燃やし続けよう」 世にはびこるこんなエールに疲弊していました 本は教養を与えてくれるもの 本はストーリーに感動させられるもの 本は長い文章を読むもの 本は集中力が必要なもの 本は読むのに時間がかかるもの 本は気力があるときに読むもの… 小学校のときは図書室に通い、 本ばかり読

        • どうしようもなくずぼら

          お気に入りのマグカップでひと息つきながら、 数ヶ月前のことを思い出しています 仕事の研修で知り合った、2人の同期と食事に行きました 新卒1年目が多く集まる研修の中で、 社会人経験があって落ち着いた雰囲気の2人とよく話すようになっていました その夜はピザを食べ、初めて聞いた品種のワインを飲みました 2人とも良い人達で良かった、わたしも溶けこめていたらいいなと思いながら、 他愛もない会話でゆったりとしたひとときが過ぎていきました 2軒目はカフェに入り、 暮らしについての話題に

        あいにくコロナ禍だったもので

          晴れていてね

          晩ご飯にかぶのスープを作りました 他にはなに食べようと考えながら、 どういう気持ちでいることが正しいのかわからなくなって、手を止めました 「元気ないの?」 帰宅した彼が声を掛けてくれました わたしは返答しながら、彼の口角が下がる瞬間を見ていました 白黒の幕を見たとき、 太い額縁の中の彼女を見たとき、 苺柄のパジャマをまとった、 表情のない全身を見たとき、 初めて涙がこぼれました 納棺、火葬、お葬式 縁遠いはずの言葉たちが駆け巡る日々が続きました 桜色の棺と、お気に入りの

          晴れていてね

          手を伸ばせば

          1ヶ月半お休みをいただいて、 少し前から仕事に復帰しています 久しぶりに出勤する朝はどきどきしましたが 皆さんの「おはようございます」 がとても温かくて、 全員の顔が ☺️ に見えて、 動揺して棚にぶつかりながらも席に着きました 休んでいる間はひとりの時間が多く、 色々なことが頭を巡りました 1年目で休職なんて情けない、根性がない、 倒れた訳でもないのに、 みんな今頃頑張ってるはずなのに。 学校はもちろん、 幼稚園の頃から登園を拒否して毎朝のように 嘔吐していたことま

          手を伸ばせば

          ファイトソング

          絶対に、ひとりにはさせない ふと、1年前のはっとりの言葉が蘇ります 大ヒット曲の歌唱前、心を見透かしたような一言に涙が溢れました ずっとずっと私のお守りになっています 音楽が聴けなくなっていました 元気になるきっかけさえ奪う、 たちの悪いなにかにとりつかれていました ゆっくりと抽象的な曲は だんだん耳に染み込んできて 寄り添ってくれました 枯渇した喉に水をがぶ飲みするように 何度も何度もリピートしました I just thought it’d be fun (「楽しそ

          ファイトソング

          母が陽キャ

          「運動でもしてきたら?テニスとか! 1人が嫌なら彼氏と一緒に行くとか」 母に電話すると、 手荒くテニスデートを斡旋してきます 起きるのがつらい、に対する母のアンサーです うちの母はたぶん陽キャです 中学時代はいつも車で迎えにきてくれていて 私の同級生全員の顔と名前を覚えていました 「いいよ!通り道なんだから乗っていけ」 が口癖で、友達を車に乗せると場を回し始めます PTAの集まりがあると本領を発揮します 「森くんって知ってる?」 母が帰宅すると隣の隣のクラスの男子の

          母が陽キャ

          昼下がりのバウムクーヘン

          昼下がり、カフェでコーヒーを飲んでいます 本を読みながら過ごしていたけれど なんとなくお腹が空いてバウムクーヘンを注文しました それだけのことが心から幸せです 1日3食食べられる日なんてもうこないと思っていました 野菜スープで胃がもたれたときには絶望しました 市販の胃薬も効かなくて 喉を通るものがお味噌汁だけになりました 病院で処方された胃薬を飲み続けてお腹が空くようになりました やっと胃が治った!と思ったけれど 身体に気持ちが追いついてしまい しばらく仕事をお休みし

          昼下がりのバウムクーヘン