自転車に乗っていた時の奇跡
大学生の頃、アルバイトをしていました。家から職場までは少し距離があったので、いつも自転車で通っていました。
ある日の午後、大学の文化祭を楽しんだ後、バイトに向かう途中でした。16時から勤務だったのですが、時計を見るとすでに15時半を過ぎており、焦って自転車を漕ぎ出しました。大学周辺は人が多く、いつもより混雑していたので、裏道を通ることにしました。その裏道はまっすぐな坂道で、スピードが出やすい道でした。
途中、十字路に差し掛かったとき、左側から車が飛び出してきました。その道はカーブの手前が見えづらく、私は車の存在に気づきませんでした。咄嗟に両手でブレーキを握りしめましたが、クロスバイクは軽く、勢いが止まらず後輪が浮き上がってしまいました。車の後部座席のドアまであと数センチというところで、自転車は一回転し、私は地面に投げ出されました。
幸い、車にはぶつかりませんでしたが、手に石が刺さる怪我をしていました。それでも、無事でいられたことに安堵し、これは何かの奇跡だと感じました。神様から、まだ私の役目が終わっていないというメッセージを受け取ったような気がしました。