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零細起業の経営実務(23)自力で増資の登記
起業を考えている研究者さんに、リーゾの経験をお話しするシリーズ。今回は、普通は司法書士さんに頼む「増資の登記」を自力でできるか?という話です。
リーゾの資本金は600万円です。200万円でスタートして、3ヵ月後に増資して600万円になりました。なので、増資の登記は、もう8年も前にはなりますが一度経験していて、自分でできることはわかっています。
今回は、さらに500万円を増資しました。ただ、今回は、そのまま増資してしまうと資本金が1000万円を超えてしまい、法人住民税が高くなるなど支障があるので(※)、会社法で定められた上限である250万円(半分)を、「資本準備金」にして、資本金は600+250=850万円にしようと考えました。
さて、増資の登記のために提出すべき書類は6種類です。
(1)株主総会議事録
(2)株主リスト
(3)引き受けの申込を証する書面
(4)払込があったことを証する書面
(5)資本金の学の計上に関する証明書
(6)登記申請書
名前は難しそうに見えますが、全てネット上にお手本が落ちてるので、目的に合いそうなものを拾って改変して作ればたいしたことはありません。(3)は、出資者からもらう書面で、(4)には通帳のコピーをつけますが、あとはパソコンで作ってプリントし、会社印を押すだけです。
ただ、資本準備金を設定する場合の例がなかなか見つからず、最後まで「これでいいのかな?」といくつか疑問が残りました。
でも、こんなときは、タダで見てくれる法務局の相談を利用すればいいのです。一応完成したところ法務局(つくば)に行き、概要を伝えて相談を申し込みました。
・・・ところが!!
予約の時間に行って書類を見せたところ、対応してくださった方は(信じられないことに)私以上の素人。質問しても「ここは不動産だけだから、会社の登記のことはわからないよ」と仰るばかりで、疑問は解決せず・・・。「他にわかる方はいないのですか?」と聞いても「いない」と(そんなはずはないんですけど)。
もちろん、つくばは不動産登記だけになったのは知ったうえで、「法務局の人なら基本的なことは知っているだろう」ということで申し込んだのですが。これはなかなかのがっかりでした。
憤懣やるかたなく帰路を運転中、そういえば近所に司法書士事務所があったと思い出し、その足でアポ無し訪問を決行。事情を話したところ、「細かいチェックはしないけど、助言だけなら」と、懸案の質問に親切に答えてくれ、あっさり解決しました。やはり、プロフェッショナルはさすがです。
書類を仕上げて、3万円の印紙を貼ってレターパックで水戸法務局に送り、作業は完了しました。
・・・と思ったら実は完了してなくて、電話で3箇所ほど訂正指示があり、差し替えの書類を再送することにはなりましたが、それで今度こそ完了です(間違いがあってもこの程度で済むのなら、なーんだという感じですが、最初からこういう考え方はダメですよね!)。
登記に限らず、税務申告も保険関係も、派遣許可の申請も、プロに頼めばずっとラクに済むことはわかってるんです。
でも、「自力でできるかも」と思うと、挑戦したくなるのが悪い癖・・・。
お役所はどこも基本的に素人には親切なので(法務局も、決して不親切ではなかったのですよ!)、実際、大概のことは自力でやれます。
でも、さすがにだんだん忙しくなり、経営者たるもの、利益を出す仕事に注力すべきと少々後ろめたさも感じ始めました(儲かってないもんで)。勉強になるメリットと、時間と労力がかかるデメリット、うまく折り合いをつけて行くのが今後の課題だなあと思っているところです(といいながら、次回も自分でやっちゃいそうなのが怖いです・・・)。
蛇足ですが、司法書士事務所に突然押しかけてタダで教わってくるなんて、人見知りの自分がよくやれたもんだとびっくりしています。立派なオバサンになりつつあるのでしょうか。味をしめそうな自分がまた怖いです。
(2017年2月1日配信のすいすい通信より)
「すいすい通信」
https://rizo.co.jp/merumaga.html
【※ と、思ったのですが、実は変わりませんでした・・・】