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零細起業の経営実務(48)フリマアプリで基本に戻る

自宅の引越しを機に、捨てるには忍びないけど不要な本やCD、おもちゃなどがたくさん出たので、久しぶりに「メルカリ」に出してみることにしました。

ご存知の方が多いと思いますが、「メルカリ」とは個人間取引を仲介するフリマサイト用のアプリです(以下、メルカリについての記述が多いですが、メルカリ自体を宣伝する意図はないことをご了解ください)。

本やCDは、タイトルや内容を入力するのが面倒ですが、いつの間にか「バーコード入力」という機能が出現。カバーについているバーコードを読み込むだけで、自動的に情報が入ります。あとは写真を撮って状態を入れて値段を決めるだけ。スマホで文字入力するのが苦手な私にはありがたい進歩です。

だいたい1冊(1枚)あたり、数百円で売れることが多いのですが、出品者負担の送料と、メルカリが取る手数料を引くと、利益は数十円から数百円円程度しか残りません。手間と時間を考えると全く割にあわないです。

なのに、なぜやるのか?と言うと、理由は2つあります。

ひとつは、捨てるはずのものが、もう一度誰かの役に立つなら、という思い。例えば試験の教材は合格すれば不要、でも受験前の人には価値があります。趣味のもの、レアなものも、価値を感じる人が意外といるものです。そうでなくても、まだまだ使えるものを捨てる「痛み」を引き受けてもらえるだけでありがたいです。

もうひとつは、これって実は立派な「商い」だから。
ネットの個人間取引でモノを買う人の中には、言葉は悪いですが、小銭にうるさかったり、説明にない細かい瑕疵を気にする人が多くいます。商品が届かない、遅い、包み方が悪い、汚れているなどクレームになったり、悪い評価をつけられる場合もあります。

そうならないように、写真は傷が見えるように取り、商品説明をきちんと書き、相手とのやりとりの文言に配慮し、しっかり梱包して発送。クレームの際は誠意をもってすみやかに対応します。

目の前の(ネットの向こうの)ひとりのお客様のために、緊張感をもって誠心誠意の取引をして、満足してもらえると売上や利益にも勝る喜びが得られる。これこそが商いというものではないでしょうか。

リーゾを始めた頃、モノを売る経験自体が皆無だったこともあり、当時はヤフオクで、売り手・買い手として何度も取引を経験し、顧客満足のツボのようなものを学ぶことができました。

リーゾは、お客様に極めて恵まれている会社で、ともするとスムーズな取引に慣れすぎてしまいそうです。でも商品もサービスも必ず生身のお客様に届くもの。もしかしたら少々不満があっても我慢してくださっているだけかもしれません。

メルカリで、受取後の評価をもらうたびに心底ほっとします。
リーゾのお客様にも、同じ緊張感で臨んでいこうと、久しぶりの個人間取引で気持ちを新たにしています。

(2019年10月2日配信の「すいすい通信」より)

すいすい通信
https://rizo.co.jp/merumaga.html


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