零細起業の経営実務(45)助成金サギにご注意
起業を志す研究者さんに、リーゾの経験をお伝えするシリーズ。今回は、助成金をえさに、小さな会社を狙う詐欺に、あやうくひっかかりそうになった話をご紹介します。
先日、リーゾに電話がかかってきました。
『助成金サポートと申しまして、厚労省の委託を受けて助成金の対象となる優良な中小企業様向けに助成金受給のお手伝いをさせていただいております。』
『つきましてはリーゾ様が対象となるかどうか、無料で診断させていただきたいのですがいかがでしょうか?』
『実は受給できる会社かどうかの条件が3つありまして』
はしょりますが、その3つとは、
【雇用保険と社会保険に加入】
【代表者とその親族以外に1名以上の社会保険加入者がいる】
【半年以内に会社都合の解雇をしていない】
で、リーゾはあてはまりました。
(たいがいのまともな会社はあてはまります)
『リーゾさんは優良企業なのでおそらく受給できますよ』
『どのくらいもらえるか、無料で診断に伺って算定します』
『ちなみに平均で150万円くらい受給できています』
それは魅力的なお話ではないですか。
でも、申請を手伝って手数料をもらう商売だとしても、社会保険労務士が、わざわざ電話で営業して、つくばまで時間と交通費かけて、無料で来るものでしょうか。
なんか怪しいなあ、とこのへんで思い始め、あいている手で「助成金サポート」とネット検索してみると・・・
でるわでるわ!
迷惑電話や詐欺被害の情報、さらに厚労省からの注意喚起のページまでヒット。やはりこれは、乗ってはいけない話でした。
そこで、
「お話はわかりました。ちょっと考えてからご連絡します」
と言ってみると、
『無料診断のご予約だけでも』
『こちらからまた電話します。何時ならいいですか』
と、結構しつこく食い下がられましたが、
「無料診断をお願いするかどうかも含めて、検討して、こちらか
ら、ご連絡します」
と最後はちょっと強めに言って電話を切りました。
厚労省によると、助成金が受給できると甘言を弄して申請代行の手数料を前金でもらってフェードアウトしたり、不正に偽装した申請書を作って受給させたものの、後日発覚して依頼者が罰せられたり、といったトラブルが起きているそうです。
150万円、という金額も魅力的かつリアルにもらえそうな絶妙な数字で、電話の主はいかにも善良で話しやすく声につやのある女性。ついOKしちゃう経営者さん、いるかもしれません。
蛇足ですが、普通の営業電話の場合、私は電話口では従業員のふりをして断っています。
「すみません、営業の電話はお取り次ぎできないんです・・・」
電話番のおばさんに用はないと思うのでしょうね。
これであっさり引き下がってくれます。
さらに蛇足ですが、営業の電話は、営業ですかと聞かれたらそう答えなくてはならないと法律で決まっているらしく、わからないときは、「失礼ですが営業のお電話ですか?」と聞けば答えてくれます。そのうえで、上の台詞を言うと先方も「しかたない」とあきらめてくれます(たぶん)。
ただ、先方もお仕事ですし、たとえ迷惑電話でも(逆にこちらから掛けるクレームの電話でも)、気持ちよく会話を終わりたいと心がけています。
もちろん、詐欺には毅然と対応しますけど!
(2019年6月5日配信の「すいすい通信」より)
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