「「いい感じによろしく」に応えること」について考える #内省録
何気なしにふと気になったテーマを取り上げ、自分の経験、思考、価値観と向き合いながら深堀りをしていくシリーズ。内省したものをこうして記録することで、
エンジニアとしての成長のロードマップ
自分が取り組んでいる分野の動向の推察
今後の活動に関する意思決定
のために役立てていこうというもの。要するに、思考・価値観の人間ドックである。
昨年、大企業から飛び出してベンチャーに転職してきたのだが、「大きな組織で小さな歯車として働く」のと「小さな組織で大きな歯車として働く」のとでは全然違うことを実感した。特に企業文化について大きく違うなと感じ、体感的には日本と外国レベルで文化が違う。
学生で就活していたときは「企業文化」なんてあまり気にしなかった。企業のWebサイトにある「人材ではなく、あえて人財という言葉い、社員のことを大切にするというのが社風で・・・」とか聞いても興味がなかった。
ところが大企業で5年働いてからベンチャーに来ると、
「普通は〇〇するのに、どういうこと?」
「普通は〇〇しないはずなのに、どういうこと?」
といったような、自分の中にあった常識が通用しなくなる。旅行などにおいては、そういった違いも楽しみの一つになるのだが、仕事となるとトラブルのきっかけになることが多い。ちなみにベンチャーの役員のほとんどは、社会人経験1年ぐらいで勤めていた会社を辞めて今の会社を起業したので、「普通は〇〇」と言われても微塵もピンとこない。
中でも一番多いのが、
「〇〇って、xxしたほうがいいですか?」
「〇〇のリスクに備えて、xxしておこうと思うんですけれど、どう思いますか?」
という相談などに対して
「んー、いい感じでよろしくー」とか、
「まぁ、そこら辺はよしなにー」とか、
って言われることだ。
これについて、どう対処していくべきなのか?について深掘りをしていく。
役割と業務フロー
前職の大企業では、組織図に紐付いて、各役職の役割が決められていたり、きっちり業務フローが決まっていたりしていた。例外が発生する場合には会議を開き「いつまでに、誰が、何を、どのような流れでするか」を決める。
主にはプロジェクトマネージャが仕切るが、プロジェクトが巨大な場合はプロジェクトマネージャの下に技術マネージャを設けたりもする。そういったピラミッド構造と業務フローに基づきプロジェクトが回っていく。
大企業では「プロジェクト全体の中の、ある一部の部分について」という感じで担当を受け持つ(といっても、ほとんどが仕様決めで、図面を描くのは外注)。そして、業務が終わったらピラミッド構造ですぐ上にいる上司(プロジェクトマネージャだったり、技術マネージャーだったり、先輩社員だったり)にアウトプットを出す。そしてまた新たな業務が、ピラミッド構造ですぐ上にいる上司から降りてくる。
ピラミッド構造を飛び越えてやりとりすることはあり得ないことと、
やりとりが発生する度に「はんこ」が必要となること
というのが、大きな特徴だ。
一方でベンチャーは組織体制図はあるものの、その役割については定義されていない。もちろん、業務フローもない。建前上のピラミッド構造はあるのだが、自分が社内で業務をやりとりするのは、課長だったり、役員だったり、社長だったり、他部署の社員だったり・・・と、実際にはピラミッド構造を無視して動く必要がある。
というか最近役員になって「いや、ピラミッド構造は無視してもらっていいよ」と明言された。
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