マティアス&マキシム
厄介な映画だ。グザヴィエ・ドランは、今回も彼ならではの、繊細だけど、芯のある映像をみせる。その表現は、いつにもまして強力。いい映画と言うのに、なんのためらいもない。役者としての魅力も十分だ。それでも、厄介というのは、やっぱり題材。男と男の恋愛というのは、率直にいって、あまり得意ではない。 いっぽう、このヒリヒリは尋常ではない。リアルだ。人が人を好きになり、求め、恐れ、欲する。その気持ちは、心を打つ。愛はたしかに存在するし、その行方がどうなろうと、まちがいなく素晴らしいものだ。