大事なところはAIに譲らない
「Chat GPTに悩みを聞いてもらってるんですよね」という話を今週2人の人から聞いて、なるほどなーと思った。誰かに話を聞いてもらいたいとき、相手の様子を伺って話を切り出すのは大変だし、相手も疲れていたりすると難しいけど、Chat GPT相手になら気を使わずにいつでも話かけられる。優しいし。確かに便利そう。
私も以前試しに「デザインの良いアイデアが浮かぶ方法を教えて」と質問したら、数秒でいくつものアドバイスを簡潔に教えてくれてなるほど便利だ!とびっくりした。
AIがデザインに使われるようになってもう何年経っただろう。大手のメーカーが「大衆が好むパッケージデザインをAIで作り成果をあげている」という話を初めに聞いたのは10年以上前な気がするけれど、日常生活の中で個人にとっても必要不可欠なものになっていくんだろうなというのを最近ひしひしと感じる。
トレンドの情報を知っていて、新しい技術を使っていて、まだ他がやっていないことを提案する。そういうことがクリエイターには大切ということはすごくわかる。自分もやるべきだとも思う。その筆頭に今「AI」があって、クリエイターであればこの「AI」をどのように使うかということが今とても重要なことなんだろうなと感じている。
感じているのだけど!それでも私はAIのことがずっと苦手だなぁと思っている。本当に我ながら古い人間で嫌だなぁと思うし、クリエイターとしてどうなん?とも思う。このままじゃ偏屈なお年寄りになっていきそう…とも。AI苦手なんです、って言うのも時代遅れ感が半端なくて恥ずかしい。
会社を辞めて、あらためて感じた仕事の楽しさ
私は昨年フリーランスになった。会社員デザイナーを辞めてしまったから、社内のキャリアや大きなプロジェクトとは無縁になった。朝起きて、さて今日はなにをしようという生活。依頼を受けるか断るか決めるのは自分。なんなら違う仕事に就くこともできる。
いい仕事をしても評価してくれる上司はいないし、スタッフと相談しながら制作を進めることができない。サボってもだれにも咎められない。そんな中でモチベーションを保てるのかはひとつの懸念材料だったけど、結果的に今仕事が一番楽しいと言えると思う。
「自分次第」ということが自分にとっては大切だった
朝起きてから夜寝るまで、食事や休憩はするけど他の時間は仕事をしていても苦にならない。全部自分次第ということがとても心地よい。
安定したお給料と引き換えにはなってしまったけど、30代半ばの今そういう時間が持てたのはすごく良いことだったと思う。
デザインの方向性を決めるのは自分。仕事の進め方を決めるのも自分。その「自分次第」で仕事をした結果、いい仕事ができたとき。その嬉しさがひとしおということに気がついてしまった。
私が思ういい仕事というのはクライアントの役にたつデザイン一択だ。ロゴなら会社の価値を上げるようなものになっているか。社員の人が自信を持てる武器になっているか。パッケージデザインならその商品が売れたか。などなど。
ロゴを作る時、細かい部分まで何度も検証して良いものを作っていく。それを繰り返して、自分が頭にあるイメージを具現化できたら気持ち良い。
私はできたロゴをすぐにお客さんに提案しない。一晩寝かせて翌朝まっさらな頭で見てみる。そうすると改善点が見つかったりする。時間があればそれを繰り返す。お客さんに提案するときの話し方や、資料にもこだわっている。そういう自分なりの小さなこだわりを積み重ねて、それが評価されたとき最高に嬉しいし、自分がこの仕事をやっていてよかったと心底思う瞬間だ。
例えば美しく高品質なロゴをAIが一瞬で作ってくれるようになっても、それに頼ってしまうと私の嬉しさは大幅に減ってしまうと思う。
じゃあ「自分の嬉しさ」のためにAIを使わないのか
例えば今後、AIを使ったほうが全てのクライアントのためになるということになれば自分はこの仕事を辞める時かなと思う。時短だし安いし、より良いものができるとなれば、自分が手を動かしていちから制作することはあまりにも自分のエゴという感じがする。
私はもう30代半ばだけど、どこまで伸びしろがあるかはわからないけど、猛烈な勢いで進化するAIに負けないように、1日でも長くデザイナーができるようにもっとデザインが上手くなりたいと思っている次第です。
現在自分なりに考えているAIとの付き合い方
と、ここまで書いたけどこれは2025年現在の考えだから、今後変わる可能性も十分にあり得る。それに現在でも私がAIの力を借りる時はある。自分が制作したデザインをよりよく見せるためには使用している。モックアップ制作や、撮影した写真の不要な部分の削除など。自分が作ったものをよりよく見せる脇役として今は付き合っている状態です。
文章の校正などもしてくれるらしいけど、やっぱりそれはやりたくなくて。だからこのnoteも読みづらいところがたくさんあるかも。すみません…