パンをつくる③-小麦粉-
小麦粉ってなんだ。
今まで料理も碌にしてこなかった僕は、片栗粉とか上新粉とか、料理に使う「〇〇粉」の違いをよくわかっていなかった。
薄力粉と強力粉、どっちも小麦粉のことだよ。なんて誰も教えてくれなかったから長い間そのへんの関係性も認識してなかった気がする。
パンは自然に生まれてこない
この頃は(パンをつくるようになってからは特にそうなんだけど、)食べ物を買うとき、これは一体何からできてるのかなーって気にしながら、原材料を必ず見て、ふむふむってわかった顔して買い物かごに入れるようにしてます。
パンって、誰かが作ってくれたものでもまあまあ安く簡単に手に入るじゃないですか。自分でつくるとなったらすごく手間だし、あんまりやろうと思わないじゃないですか。でもいざやってみると、大変だなーって思いながらも、いつも仕事でパンをつくってる人のこととか、小麦を育てたりイースト菌を製品にしたりしてる人のこととかがふわっと頭に浮かんで、地球は働く人間で溢れてるなー、なんかすごいなーってしみじみと感じられてなんかいい。
素材に触れるっていいことだ。
小麦粉は小麦の粉
稲と小麦。どっちもイネ科で見た目もなんとなく似てるけど、食べ方は全然違う。お米はお米の形のまま食べることが圧倒的に多くて、小麦は大抵潰して粉にする。
(あのさらさらの白い粉が、ちょっと前まで畑で葉っぱ生やして育ってただなんて不思議。)
お米にいくつか種類があるように、小麦にも種類がある。
パン小麦だとかデュラム小麦だとか。
あと、グルテンの量で強力粉、中力粉、薄力粉に分かれる。どれも似たような見た目のくせに、性質に違いがあって、用途も違う。
パンづくりに向いてるのは、グルテンが多くて粘りや弾力がある強力粉。
薄力粉混ぜたりライ麦や米粉混ぜたりしてもいいし、イタリアじゃあデュラム小麦でパンつくったりもする(デュラム小麦は普通パスタとかマカロニ用)。
粉の状態だと見た目ではよくわかんないけど、小麦粉は植物で、特徴もいろいろあって、その特徴に合わせていろんな食品がつくられてるんだね、すごい。
フランスパンをつくるための小麦粉
フランスパン用小麦粉っていう便利なものがある。フランスパン作りたいならこいつを使わない手はない。ネットで検索するといろいろ出てくる。
ただ注意しなきゃいけないのは、これを使ったらどんな作り方しても絶対にフランスパンになるなんてことはないってこと。ちゃんとフランスパンの作り方はしないといけない。
フランスパンは、基本的に小麦粉、酵母、水、塩だけでつくる。
フランスパンじゃない一般的なパンは多分砂糖を入れることが多いと思うんだけど、これは、糖が酵母の餌になるから。酵母がよく働いてくれないと発酵して膨らんでくれないから、砂糖を食わせる。
でも砂糖を入れると、フランスパンのあのハードな感じが出せなくなっちゃう。
だからフランスパンには砂糖を使わないんだけど、酵母をうまく働かせるために、砂糖の代わりにモルトシロップだとかモルトパウダーだとかを使う。モルトは麦芽のこと。こいつに含まれる糖で酵母を元気にする。よく膨らむし、外側が固くなる。
多分フランスパン用小麦粉ってやつには大体この麦芽が入ってる。
フランスパン用小麦粉、ほんとに便利で素敵なアイテム。
でも慣れてきたらフランスパン用だけじゃなくていろんな小麦粉で試してみたいな。
材料がシンプルなだけに、小麦粉を変えるだけでもいろいろ違いが楽しめそうで夢が広がる。