『ダブルドラゴン リヴァイヴ』発売日が決定した今、改めて『ダブルドラゴン外伝 ライズ・オブ・ザ・ドラゴン』について語っておきたい
語るべきタイミングがなかったのと、今やっておかないと次はなさそうなのでここで記事にしておきます。
『RCG2』のダブルドラゴンDLCが先日発売されたばかりということもあり、丁度ダブドラ熱が非常に高まっているので!
件のタイトル、ネタの扱い方が原作愛とリスペクトに溢れまくっているため、オールドファンのマニア心をくすぐって大変心地良いのです。
『ダブルドラゴン外伝 ライズ・オブ・ザ・ドラゴン』とは?
2023年7月発売。
開発に携わったSecret Baseは新進気鋭のディベロッパーとして、メジャーなタイトルに関わったのは本作が初めての模様(調べてもちょっと不安になるくらい情報が少ない。今後のさらなる躍進に期待!)。
ゲーム内容は従来の『ダブルドラゴン』シリーズを踏襲した、オーソドックスなベルト横スクロール型アクション。
ステージクリア時のキャラ強化や必殺コンボによる報酬増加等のローグライク要素を取り入れていることと、3頭身にかわいらしくディフォルメされたキャラクターのピクセルアートがちょこまかとコミカルに動き回るのが特徴。
外伝作品と銘打たれているように、背景設定的には「若い頃のリー兄弟が、『Ⅰ』~『Ⅳ』(『リターン・オブ・ダブルドラゴン』含)に関連する敵と同時に闘うことになったら?」というIFを思わせる作りになっており、本編とはリンクするのか?時系列は何時になるのか?といった具体的な言及は作中で避けられている。
というわけで、例によって過去作品を踏襲した上で登場人物の解説を行っていきます。
なお、過去記事の『RCG』シリーズ解説で重複しているキャラ(アボボ等)については本記事では触れません。
また、これもいつも通りですが、一連の記事に関する内容は私の主観に基づくものも含まれており、全てが公式に沿った正確な情報とは限りませんのでその点はご注意ください。
マタンおじさん
本作初登場。
本記事で熱く語りたかった人ナンバーワン。
リー兄弟やマリアンの後見人設定を引っ提げて令和の今になって突然生えてきた新キャラながら、「マタン」という名前、「喫茶店を開きたいと思っている」という一文がポイント。
これによって初代オープニング演出でマリアンが誘拐され、ガレージから歩み出てくるリー兄弟の家にある看板の「MATIN」「ENGLISH TEAR」の文字列は、「『マタンのイングリッシュティールーム』を意味するのではないか!?」と、あまりによくできた後付け設定にダブドラ学会が突如騒然となった。
その他の設定や外見の類似点からはアニメ版の登場キャラ「ブラスター」をベースにしているのではないかとのこと。
マリアン
『Ⅰ』より登場。
基本的にはストリートギャングのリーダーで通っているものの、前述のアニメ版では婦人警官だったりして、実は二つの設定を作品によって行ったり来たりしている彼女。
WayForward開発の『ダブルドラゴンネオン』及び『RCG』シリーズと差別化する意図も感じられる形で警官設定の方をピックアップしてきたのは個人的には粋な計らいだと思う。
ウィリー
『Ⅰ』より登場。
犯罪組織シャドーウォリアーズを率いる、同作におけるラスボス。
『熱血硬派くにおくん』のさぶと同じく、体力バーがあるベルスクアクションにも関わらず一撃死の飛び道具を放ってくるという鬼畜性能を有していた。
露骨なインカム稼ぎの所見殺し要素ながらも、それだけに「横軸が合ったらその時点で死を覚悟しなければならない」というスリリングな体験が強烈な記憶として刷り込まれているファンも多いのでは?
しかし登場を重ねるうちに銃の威力も段々ナーフされてきて、今ではちょっと痛い大攻撃を喰らった程度に留まっている。
デューク
『リターン・オブ・ダブルドラゴン』より登場。
様々な事情であまりにも多くの要素がオミットされた未完成状態で同作がリリースされてしまった結果、「一体誰と何のために戦わされているのかもわからない」ままに突然ノコノコ出てくるしらないオッサンのラスボス。
一応同名キャラながらも殆ど別人として登場していたネオジオ版に対し、今回ようやくちゃんとした設定が新たに賦与されたことで当時のモヤモヤ感が解消されたのはこの記事書いてる私だけではないと思いたい。
ちなみに『リターン~』に関する各背景についてはインターネッツで検索すると詳しい記事が掘れるので興味がある人はそちらも是非。
アヌビス
本作初登場。
スクラップで築き上げた巨大なピラミッドを根城に、ミイラのような格好をした男女を手下として多数従えている。
また、最終形態ではアヌビスの化身そのものとなって襲ってくる等々、得体の知れない数々の設定は『3』及び『Ⅲ』に繋がる要素をふんだんに盛り込んでおり、往年のファンならニヤリとさせられるはず。
ボコボコにした後に仮面の下から出てくる素顔は割と普通のオッサン(格ゲーあるある)。
ローズ・オカダ
本名やビジュアルの公開は本作が初登場。
本記事で熱く語りたかった人ナンバーツー。
『Ⅳ』のラスボス、シャノンとケイシーの母親に該当する人物。
突然生えてきた二人の姉妹(シャドウビリー、デューク、マーサ・スプラッターヘッド等々テクノス作品においてしらないキャラが突然ラスボス面して生えてくるのは最早常識!)に「力こそが全てなのヨ!」「姉さんこんなことはもうやめましょうヨ!」とかやりとりされてもいやおめーら誰だよ状態だったのが、外様の白人女性であるローズがヤクザの看板を背負って矢面に立たなければいけなかったという過去設定に加え、夫の死に不審な点はなかったのか?彼女を殺せるほどの実力者とは誰だ?そして何のためにオカダファミリーを虐殺したのか?といった行間が無闇矢鱈に生まれた結果、全てが異様に魅力的に映えるようになってしまったナイスキャラ。
高身長で肩幅も広いガタイの良さからぶっきらぼうに日本刀を振るうファイトスタイルに反し、クソデカリボンでポニテを束ねるチャイルディッシュな髪型まで全部素敵。
母娘揃って『RCG』シリーズに是非出張してきてほしい(私情や欲望がダダ漏れすぎる…)。
チン・セイメイ
『3』より登場。
AC版である『3』では中国拳法の使い手として突然生えてきた三兄弟(残りの二人の名前までは流石にリサーチしてないです)の一人ながら、FC版である『Ⅲ』ではリー兄弟の宿敵、タイメイの弟であることが判明。
強くなるためならば手段を選ばない兄を快く思っていなかったものの、それはそれとして仇討ちにはキッチリ乗り出す非常に朴訥・律儀・生真面目な性格をしている。
キャラクターのイメージソースには”異様に動けて強いデブ”ことサモハン・キンポーや、必殺武器として鉤爪を隠し持っている『燃えよドラゴン』のラスボス・ハンが伺える。
柳生乱蔵
『3』より登場。
柳生一族の末裔であり、忍者の頭領にふさわしい存在となるべく日々修行に明け暮れている身。
先祖代々伝わる秘宝”ロゼッタストーン”の所有者だったばっかりに、リー兄弟から押し込み強盗同然に屋敷をいきなり襲撃されてしまうかわいそうな人。
こうして文字にして書き起こすと全然パッとしないのに、ビジュアルやBGMがカッコイイ忍者なので全部許されて人気キャラの一人になってるとこある。
なぞのかくとうか
『Ⅱ』より登場。
リー兄弟が使う光の活人拳である双截拳とは対を成すとされる、闇の殺人拳である幻殺拳の使い手。「世が乱れ双截拳が活躍する時、幻殺拳との衝突は避けられない」的な予言に倣って登場し、二人へ対決を挑んでくる。
本名まで含めプロフィールの一切が謎のヴェールに包まれているが、大聖堂のようなラストバトルステージ・エピックが過ぎるBGM・世紀末覇者のような外見と、キッズの心を鷲掴みにするには十二分な三拍子が揃ったキャラ故に『ダブルドラゴン』という作品において最も代表的なラスボスの座に就いている。
リメイク作品『アドバンス ダブルドラゴン』では幻截拳の使い手・レイモンドと名を改めた上で、”五虎将”を率いるリーダーとして再登場。同作がシリーズ最高傑作との呼び声が高いことや、”謎の格闘家”では不確定名すぎることもあり、便宜上レイモンドの呼称で扱われることも多い。
以上、『ダブルドラゴン外伝 ライズ・オブ・ザ・ドラゴン』の元ネタ解説でした!
最後までお読みいただき誠にありがとうございました!
この記事を楽しんでいただけたなら幸いです。
そして、今回紹介させていただいたタイトルに限らず、現在は『ダブルドラゴンコレクション』の存在によって過去作のアーカイブにも大変アクセスしやすい良い時代となっています。
『ダブルドラゴン リヴァイブ』発売予定日である2025年10月23日まではまだ約一年ほどのインターバルがあります。
シリーズに興味を持たれた方は是非一度プレイされてはいかがでしょうか!