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北欧デザインについてざっくりとまとめた

本記事は、かの有名な北欧デザインがどのような特徴を持つのか、僕なりの調査と考察で記したものである。

北欧デザインとの出会い

2022年12月、僕は本場サウナを求めて単身フィンランドに乗り込んだ。しかし僕に感動を与えたのはサウナだけではない。世界一幸福と言われる北欧人の生活、さらにそれを彩る北欧デザインの虜となってしまったのである。この衝撃は一体どこから来るのか、何故こんなにも惚れ込んでしまったのか、何より北欧デザインは僕自身を幸福にするのか、考察せずにはいられなかったのだ。

北欧デザインなんぞやを知るべく、雑多に調べてみる。良い時代になった。ググればいくらでも出てくるではないか。

  • マリメッコやIKEAで有名

  • 生活家具が人気

  • 自然素材多めなイメージ

  • カラフルで可愛いイメージ

  • 厳しい環境から自然発生したらしい

なんだかフワッとしている。可愛い家具の事なのか?それだけで自分はこんなにも傾倒したのか?

こういう時、僕はいつも本質に立ち返るようにしている。今回の本質はきっと、北欧デザインが生まれた理由にあるだろう。そうして僕は、北欧デザインの起源について調べてみることにした。

北欧デザインの起こり

いくつか書籍を漁ってみた。どうやら「1900年前後に活躍した巨匠達」がベースを作ったらしい。この本から3人の巨匠を紹介しよう。

アスプルンド🇸🇪

代表作に「森の墓地」など。テーマは「自然に寄り添う」。建物と自然の境界に日本の軒下のような構造を取り入れることで、このテーマを表現している。

アアルト🇫🇮

建築家としても有名。代表作に「セイナッツァロの村役場」など。テーマは「自然と向き合う」。セイナッツァロの村役場では、壁で囲った中庭に自然を再現しようとした。

ヤコブセン🇩🇰

代表作に「デンマーク国立銀行」など。テーマは「自然を取り込む」。国立銀行内には植物を収めたガラスケースがあり、建物内に自然を取り込むデザインを施している。

なるほど確かに、彼らの建築には北欧デザインでよく見る自然素材の可愛らしい家具が見受けられる。物事をざっくり捉えたい時は、共通点を見出すのがいい。では、この巨匠達の建築や家具、哲学の共通点から、北欧デザインたる所以を見出せるのではないか?

巨匠達に見る共通点

人を中心に据える

建築も家具も、使うのは人。人を中心にデザインしていく思想が見受けられる。顧客の立場に立ったデザイン… ビジネスマンが飛びつきそうな、いい響きだ。

建築とは単なる箱ではない。人々が生活する場である。人間の生活のすべてを対象とみなし、デザインすることこそ建築家の重要な仕事だと彼らは考えたのだ。

北欧の巨匠に学ぶデザインアスプルンド/アールト/ヤコブセン、鈴木敏彦・杉原有紀、彰国社

トータルデザイン

曰く「建築は建物だけではない。照明や家具、そこに立つ人など全てが建築である」。全体的にバランスの取れた、いいデザインになりそうな響きだ。ビジネスマンよ、こちらもいかがか。

一般には建築というとその内部の家具や食器は含まない。しかし、生活の質を重視する北欧では、建築家みずから日々の暮らしを支えるインテリア・エレメントをデザインした。完璧主義のヤコブセンは目に優しい間接照明や、長く座っていても疲れない椅子、テーブルを飾るカトラリーやグラスや食器、毎日触れる取っ手や水栓の金具等のトータルデザインに挑んだ。

北欧の巨匠に学ぶデザインアスプルンド/アールト/ヤコブセン、鈴木敏彦・杉原有紀、彰国社

自然との関わり

白状させてもらいたい。北欧デザインの特徴的な模様(テキスタイル)や曲線は、正直ただのオシャレだと思っていた。芸術はよくわからない。しかし巨匠達によれば、これらは全て「室内における自然」だと言うではないか!部屋にいながら自然に囲まれる安心感、何とも素敵な響きである。

「テキスタイルは、人々が室内に欲する自然、樹木、花、草などに代わるものの一つだ」と語るアアルトのテキスタイルには、波や植物、湖などの自然をデザインのモチーフにしたものが多い。また、アアルトベースに見られるフリーフォームの曲線は湖や島の形を象ったものだとも言われる。

アルヴァ・アアルトのインテリア、小泉隆、学芸出版社

シンプルな機能美

北欧デザインの特徴であるシンプルな機能美は、巨匠達の美学が具現化したものと言える。

プロダクトや建築に求められる機能を、必要最低限の素材とかたちでデザインするのはアールトの美学だ。

北欧の巨匠に学ぶデザインアスプルンド/アールト/ヤコブセン、鈴木敏彦・杉原有紀、彰国社

日本建築からの影響

北欧と日本。土地は違えど、共に厳しい自然と対峙してきた。わび・さびによって自然を受け入れてきた日本建築が、遠い北欧からリスペクトを受けたのも、ある種自然な流れだったのかもしれない。

最後に特筆すべきは3人の巨匠は皆、日本文化を研究していたことだ。西洋建築では自然と対峙する姿勢が主流だが、3人の巨匠は自然を受け入れる日本建築を作品の各所で参照している。

北欧の巨匠に学ぶデザインアスプルンド/アールト/ヤコブセン、鈴木敏彦・杉原有紀、彰国社


自国民を幸せにしたい、巨匠達はそう願った。そんな彼らの美学と技術によって、北欧デザインは作られている。僕にはこの優れたデザインこそが、北欧諸国を世界一幸福にしたのだと思えてならない。

改めて、北欧デザインとは

以下の特徴を備えたデザインである。

  • 外見的特徴

    • シンプルで機能的である

    • 自然素材を用いる

    • 柔らかな曲線を多用する

    • テキスタイルで彩る

  • 目指すところ

    • 自然を模擬した室内空間を作る

    • 室内を快適にする

    • 良質なデザインで審美眼を育てる

今なら北欧デザインが僕を幸せにするか、考えなくとも分かる。僕に限った話ではない。自然を愛する日本人ならば皆、きっと北欧デザインを好きになるだろう。

よし、まずは照明からだ。丸くて優しい光を放つ照明がいい。好きなテキスタイルも探さなければ。ソファーも、テーブルも!いいぞ、ワクワクしてきた。この期待感に身を委ねて部屋を、生活を、人生を豊かにしてやろう。

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