「やりたいこと」vs「マネタイズ」:副業や起業でサービスを作るときのジレンマについて
副業にせよ起業にせよ、「顧客のために」の思いで始めたサービスであれば、マネタイズは急がないほうが良い。
もちろん、マネタイズが得意な人であれば、初期段階から”やりたいこと”と”マネタイズ”を両立させることはできると思うし、ネット上にも「初期からマネタイズを意識すべき」と言った意見は多く見られる。
「自分のやりたいこと=顧客が求めること」であり、かつすでにマネタイズ方法が確立されたビジネスであれば、すぐにマネタイズしても問題ない。
しかし「自分のやりたいことをやっているだけでは、お金にならない」といったケースでは、マネタイズに吹っ切るか、短期的なマネタイズを諦めるかの選択に迫られる。
もちろん、両立できれば理想ではあるけれど、よっぽどビジネスが上手な人でなければ、上手くいかない。
もしかしたらこれを読んでいる人も、「前まで好きだったけど、なんかマネタイズに走ってるなー」と感じて、身を引いてしまった経験があるかも知れない。
マネタイズが上手じゃない人が、無理に短期的にマネタイズを意識すると、このような状態に陥ってしまう。
また自分の身近にいたマネタイズが上手な人の話だが、一時的にキャッシュフローが悪くなり、短期的に収益を改善しなければならないとなったとき、マネタイズへの比重を重くした。
しかしながら結果的にキャッシュフローは悪化の一途をたどり、あとに残るものもなかった。(なぜなら、短期的なマネタイズを目的にした取り組みには、ファンがつきにくく、かつ途中で辞めてしまうことで、せっかくついた少ないファンも失ってしまうからだ)
正直、副業や複業を始める人であれば、
・「今の生活をちょっと良くしたい」
・「このやりがいのあることで食べていけるようにしたい」
といった思いがあると思う。
けれど、ユーザーへの価値提供よりもその思いが先行してしまうと、上手く行かなくなってしまう。大企業の経験豊富な経営者でさえ、ミスをするのだから初心者の私達が上手にできないのは当たり前といっていい。
以上を踏まえて、伝えたいことは一つだ。
つまり、「複業/副業」を始める際は「短期的に利益ができこと」ではなく、「長期的に続けられること、ストレスなく続けられること」をおすすめしたい。
自分が行っていることに価値を感じてくれる人が増えれば、自然とマネタイズの道が見えてくる。マネタイズを意識していなくても「お金を払いたい」と言われるケースだってある。
一方、本質的な価値はないけれどお金になることを続けていると、短期的な利益は得られても長期的に失うものはそれ以上になることもある。
その意味では、マネタイズが上手くいっていないタイミングで独立や起業するよりも、会社員を続けながら道を探る方が近道になることもある。
「やりたいこと、ビジネスを成立させるためには、覚悟をもって100%の労力を注ぐしかない」と言われることもあるけれど、急がば回れなときもある。欲張ることで帰って状況が悪化するケースも少なくないので、自分の状況に合わせて選択して欲しい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?