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【ガンダム入門その7】5分で分かる!?Zガンダムの物語-シンデレラ、天才、亡霊-
皆さんこんばんは。
Zガンダムの物語解説、第3弾となります!!
今回は、かなりターニングポイントになってくる回となりますので…是非、ついてきていただけますと幸いです!!
それでは、まず前回のあらすじから。
前回のあらすじ
ティターンズと戦うことを決意したカミーユくんは、クワトロ達仲間と共に、地球へ降下。
ティターンズ本拠地ジャブローへ侵攻を行うが、失敗。ヨーロッパ基地へ補給へ向かう道中、1年戦争時代の英雄アムロ・レイが再来する…。
≪第一章:カミーユの初恋 フォウ・ムラサメ≫
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【第一節】ニュー・ホンコン
Q:アムロと合流したエゥーゴ一行!次はどこに行くの??
A:ちょっと香港へ寄り道しに行きます。
ジャブローは南米にあるので、ヨーロッパへ行くには大西洋を渡るか、太平洋を渡る必要がありますが…カミーユ達エゥーゴ一行は、太平洋を渡るルートを選びます。
ユーラシア大陸を突っ切る形になるので遠回りな気がしますが…なぜ香港なのかというと、実は香港には「ルオ商会」という、エゥーゴのスポンサーさんがいらっしゃるんですね。
要はヨーロッパまで行くのも遠いし、もう香港のスポンサーさんのとこで補給しちゃおうぜ、といった感じです。
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実際のボスはルオ・ウーミンという老人だが、ほとんど表舞台には出ない
香港で補給を行う間、つかの間の休息を取るカミーユ達。
香港の街中でカミーユは、とある少女と出会います。
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それが彼女、「フォウ・ムラサメ」
あどけないように見えて、どこか儚げな、ちょっと不思議な雰囲気を持つ彼女に、カミーユは心を開いていきました。
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そんな感じで色々楽しそうにしていたカミーユ達でしたが、
突如香港の街中に、謎の巨大な飛行物体が現れます。
【第二節】サイコ・ガンダム
Q:謎の飛行物体…?なにそれ、UFO…?
A:いえ、超大型可変MA(モビルアーマー)『サイコ・ガンダム』です。
突如町に現れた巨大な飛行物体は、ティターンズが送り込んだMAでした。
※MA…人型であるMSと異なり、異形の形で汎用性を捨て攻撃力や機動力など特定のスペックに特化した機体のこと
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そして、このMAはみるみる姿を変え、巨大なガンダム「サイコ・ガンダム」へと変形したのでした。
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ガンダムは約18mなので、かなり大型である。
そしてなんと、このサイコ・ガンダムに乗っていたのは、あのフォウ・ムラサメだったのです。
【第三節】強化人間
Q:フォウって何?ゴリゴリの軍人さん的な女性なの?
A:いえ、そういうわけでも…ないんです。
どういうこと?実際サイコ・ガンダムってのに乗ってたんでしょ?と思うかもしれません。
実はフォウがこの機体に乗っていたのには訳があります。それには、『強化人間』というのを説明しなければなりません…。
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強化人間とは何かというと、ひと言でいえば、「超高性能MS/MAに乗れるように、身体的・脳機能的に強化手術を受けた人」のことです。
当然と言えば当然ですが、ものすごいスピードで動くMSを動かすときには、相当なGが掛かります。そんなMSでの限界状況で適切な操作をするなんて、並の人間じゃできません。
ましてや、超巨大かつ全身に大量の武器を備えているサイコ・ガンダムのような機体なら、なおさらです。
直感的に物事を感知でき、MSの操縦でさえ瞬時に理解できる、ニュータイプでもなければ。
もうお分かりでしょう。そうです、強化人間とは脳外科手術で感知能力を無理矢理開花させ、薬剤投与を通して身体を強化し、強制的にニュータイプを作ろうとしたものなのです。
そしてフォウは、その被検体に選ばれ、かつ脳外科手術の際に記憶を抹消されてしまっていました。そしてティターンズの幹部から、「ガンダムを倒せば記憶を戻してやる」と言われ、パイロットの精神に戦えと働きかける悪魔のMA、サイコ・ガンダムに乗り込んだのです。
ちなみに、彼女は自分自身の本名も奪われています。
フォウ・ムラサメという名前は、ニュータイプ能力研究所である「ムラサメ研究所」の「被検体ナンバー4(フォウ)」という、意味です。
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【第四節】シンデレラ・フォウ
ガンダムMk-Ⅱで出撃し、サイコ・ガンダムを迎え撃つカミーユ。
戦いの中でカミーユは何度もフォウを止めようとしますが、サイコ・ガンダムに駆り立てられ戦いを止めないフォウ。
しかし、カミーユの必死の呼びかけにより自我を取り戻したフォウは、カミーユに対し、宇宙に逃げるように言うのでした。
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≪第二章:ゼータの鼓動、木星帰りの男≫
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Q:フォウ…いいやつだね…。で、宇宙に戻ったカミーユ達はどうするの?
A:ちょっとした『新型MS』を受け取りに…行きます
【第一節】ゼータの鼓動
宇宙に戻ったカミーユでしたが、ティターンズの追跡は止まりません。
しかも、エゥーゴ達が結構強いMSを手に入れたりしたことで焦ったティターンズは、様々な新型MSを開発。カミーユ達に迫ります。
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どのMSも、戦闘機のように変形して高速で移動が可能な『可変MS』となっていて、通常の人型MSでは追いつけなくなっていました。
そんな中、エゥーゴも新たな可変MSを開発します。それこそ、この作品のタイトルでもある
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MSZ-006 Ζガンダムです!!
この機体は可変MSであり、さらにニュータイプの人間が発する特殊な脳波をキャッチし、機体の操縦に活かすことが出来る超画期的なシステム「バイオセンサー」を搭載した超高性能機となっていて、カミーユはこのZガンダムで、ティターンズのMSを撃退していきました。
【第二節】木星帰りの男
一方その頃。敵であるティターンズ側には、とんでもない天才が仲間に加わろうとしていました。
それがこの、パプテマス・シロッコという男です。
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彼は元々、木星探査船「ジュピトリス9」という宇宙船の船長なのですが、この男、何を隠そうとんでもない天才。戦略も、MSの操縦も、人を動かすカリスマ性も、そしてニュータイプ能力もとんでもない人間でした。
実はエゥーゴのジャブロー侵攻を邪魔した張本人は彼であり、その戦果を認められ、ティターンズ内で着々と立場を手に入れていました。
更に彼は、MSの設計まで自分で出来てしまう天才ぶり。
その手腕で、自分専用の高性能MSまで作ってしまうのです。
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重力の強い木星圏での運用も想定されており、ブースターが大型化している
そして今後カミーユ達は、ティターンズの影で暗躍する彼の策略と戦っていくことになるのです。
(ティターンズに入った彼の目的とは、いったい…。それはまた次の機会に)
≪第三章:ジオンの亡霊≫
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Q:へ~じゃあここからは、カミーユ達エゥーゴと、シロッコ達ティターンズと全面戦争、ってわけだ。
A:いやぁ~そういう訳でもなくて…これがZの面白いところなんです。
【第一節】小惑星アクシズ
ある日、とあるニュースがエゥーゴ、ティターンズ両陣営の元に入ってきます。それは、小惑星アクシズが、地球圏に接近しているとの情報でした。
小惑星アクシズとは、火星と木星の間にあるアステロイド・ベルトという小惑星群の中にある小惑星の一つで、かつて1年戦争の前にジオンが資源採掘用に接収しており、ちょっとした軍事基地として利用していました。
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ティターンズ、エゥーゴ双方ここの軍事施設を利用できないか、と画策していましたが、いまいち決め手に欠けていたある日。
シロッコの仕向けたティターンズ兵と交戦するカミーユ達の元に、謎のMS部隊が助けに来ます。
それは、小惑星アクシズの部隊でした。
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アクシズの主力MS
【第二節】ジオンの残光
助けられたエゥーゴはアクシズに招かれ、彼らのリーダーと会うことになります。
そこにいたのは、ハマーン・カーンという女性でした。
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彼らは、ジオン公国軍の復興を目的に、エゥーゴでもティターンズでもない第三勢力として、グリプス戦役に参加することを伝えます。
しかし、アクシズは所詮ただの小惑星。エゥーゴ、ティターンズ両陣営と張り合うのは難しいため、エゥーゴに対し協力関係を結ぼうとします。
そしてなんとハマーンはその総帥として、かつてジオン公国を支配していたザビ家の末裔、ミネバ・ラオ・ザビを擁立すると言ったのです。
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ミネバ自身もハマーンの口車に乗せられてか、権力者っぽい喋り方をしていました。
そんなハマーンの言葉に対し、真っ先に反応したのは、クワトロ・バジーナでした。
Zガンダム解説第1弾にて、「シャアはとある目的の為にエゥーゴに潜入した…」と言ったのを覚えてらっしゃるでしょうか。
その目的とはまさに、このアクシズのスパイとしてエゥーゴに潜入し、情報収集に加えて、ティターンズを疲弊させることだったのです。
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シャアは1年戦争でジオンが負けた後、ジオン軍の領地であるアクシズへ逃げ、ジオンの再興という目的の為に実は動いていたのでした。
しかし、そんなクワトロはすぐにハマーン側に寝返るのかと思いきや。
ハマーンに対し、怒りの言葉をぶつけます。
「よくもミネバをこうも育ててくれた!偏見の塊の人間を育てて、何とするか!!」
クワトロは、まだ幼いミネバを総帥として担ぎ上げようとするハマーンに対し、憤りを露わにします。
これによって、エゥーゴとアクシズの取引は決裂。
グリプス戦役は、三つ巴の様相を呈していくことになるのでした。
~今日はここまで~
今回のまとめ
①:香港のルオ商会から補給を受けたエゥーゴ一行。そこでカミーユはフォウ・ムラサメと出会う
②:フォウはティターンズのサイコ・ガンダムのパイロットであったが、カミーユの呼びかけに答え、カミーユに宇宙へ行くように伝える
③:宇宙でエゥーゴの新型、Zガンダムを受領。カミーユの乗機となる
④:一方ティターンズに、天才パプテマス・シロッコが参戦
⑤:小惑星アクシズも、第三勢力としてグリプス戦役に参戦…
いかがだったでしょうか。
ちなみに本編ではほとんど語られないのですが、シャアとハマーンはアクシズで結構親密な関係だったらしく。
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こんな感じの写真を撮られたりもしています。
ただ、なんらかの原因で仲たがいをし、ハマーンはシャア、もといクワトロに対して結構強めのコンプレックスを抱いています。
恐らくミネバを擁立したのも、シャアの仇であるザビ家の血筋から選んで嫌がらせをしたかったのかな、と思います。
(詳細は、後年に出たスピンオフ作品である機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像で語られています。)
すっごい激動の回となってしまいましたが…Zガンダムもそろそろクライマックスへ突入していきます!
次回も是非、お楽しみに!!
そしてさらに、今回説明しきれなかったおまけ、
・ガンダムにおける木星の重要性とは?
について、短編として公開いたしますのでそちらもお待ちください!