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「結婚したら女性は家にいるもの」呪いの言葉から解き放たれる時

ー結婚したら女性は主婦として家にいてほしいー

私には呪いの言葉として心に刺さる。

現実を見たら、私の母・夫共に「女性は主婦として、家にいて、家事をして…」の考えの持ち主である。

母自身、ずっとほぼ主婦(一時パートとして午前中働いていた時期あり)で、現在も主婦。夫の方のお母さんもずっと主婦を貫いていた。

そんなわけで「女性=家にいる」呪いが我が家には残っている。

ふと、学生の頃に学んだことを思い出した。

「M字カーブ」のことを。

思い出すために少し調べてみた。

「子供の出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴」から見てみると、少しずつ変化しているとはいえ、「結婚・出産」で働くことから一旦離れていき、子育てが落ち着いたりしたタイミングで再度働く。これがM字の特徴だ、と。海外についても気になったので少し調べてみた。

少し古いデータから引っ張ってきたが、世界中がすべてM字というわけではない。悔しい現実。よく言われるのが「夫婦の家事分担」の考え方だったり、制度が日本より整えられていたり…。
そうだよね。日本、まだまだだ。

学生の頃は「M字型に当てはまりたくない!」と思っていたが、実際には私自身、出産の際に退職。末子が1歳の時にパートで地元の小売店で働き始めた。見事に「M字」に当てはまる私の人生。

パートで勤務していた時も「できれば家にいた方がねぇ…」とよく母に言われた。子供が熱で代わりに母が子供を病院に連れて行ったもらったことがあったのだが、病院の先生にも「なぜ、お母さんではなく、おばあちゃんが連れてきたの?」とチクっと言われたそうで、それ以来、私の母は代わりに病院に連れていくことはない。病院にも呪いが存在するのか…

数年後、勤務先の小売店の閉店に伴い、以前正社員で経理をしていたことを生かせる働き方を探すようになり、偶然見つけたのが「リモートワーク」としての働き方だった。

私自身が選んだ現在の働き方

2018年春頃「ほぼ全員リモート勤務」の会社の存在を知り、業務委託の形で採用してもらい子供が学校に行っている時間を中心に自宅で作業をしている。
この働き方を始めてから会社に1度も行ったことがない。今の仕事ではリアルに会った人もいない

どうやら「女性=家にいる」呪いにも好都合らしく、「やっぱりお母さんが家にいる方が良いよね」との言葉をよく母からかけられる。

いや、違う。
たまたまリモートワークで「自宅=作業場」という環境にしているだけであって、特別な働き方ではない。チャットだったり、音声で繋いだり、いろいろなツールを使いながら会社に行くことなく作業を進めていく。
子供たちが休校になっても、関係なし。
最近は子供たちも少しではあるが、私の働き方について理解しつつあるようだ。

家にはいるが、仕事もする。仕事が落ち着いたら家事もする。
母さん、時々リモートワーク」これが今の私の姿。

結局のところ、私の今の働き方が呪いを信じている周囲・そして呪いから放たれたい側の私がそれぞれ上手く誤魔化している(上手く言葉を変換している)状況になっている。
とはいえ、家族で協力しないと家事も育児も成り立たない。(それでもできる!という方もいると思うが、私は無理×100)

「M字を解消する=女性がリモートワークしたらいい」
これで100%解決することではない。「女性=リモートワーク」と決めつけることはむしろ大問題。男性だってできる働き方だから。

リモートワークは、男女関係なくできる働き方

・性別関係なし。もちろん独身・既婚も関係なし
・普通の人でもできる
・リモートワークでサボる人は会社でもサボっている
・「察してほしい」は相手には伝わらない
・雑談する場があれば、孤独感は意外を気にならない

特別な働き方ではない。性別なんて関係ないし、ライフステージも関係ない。ネット環境で作業ができる場所があれば大抵のことはできる。

リモートワークについて詳しく書かれている本が出版されたとのことで、ゲラ読みの機会があり、先日読むことができた。

「リモートワークって何だ」「会社には行かないってタイトル何だ」等々、リモートワークについての疑問だったり不信感だったり、「リモートワークに興味はあるけど、私にもできるの?」とちょっとした興味がある方に是非読んでもらえたら、きっと解決する道が見えてくると思う。

会社に行くのも一つの働き方

リモートワークじゃなきゃダメなんだ、というわけではない。リモートワークより、会社に行く方が向いている人も多数いるはず。それは、否定するべきではないし、肯定的にとらえた方がいいと思う。

どうしても会社にいかないといけない業種・職種もあるし、性格の向き・不向きもある。
現在の私自身は、会社に行かない働き方が合っているので自宅で仕事に取り組んでいるだけで、新卒で勤務していた当時の会社では、会社に行く必要のある働き方だった。

自分に合った働き方で生きていこう

学校を卒業するのが高校なら18歳、大学だったりするともっと上の年齢で社会人として働き始めて、何十年も「働く」ことに対して向き合うことになる。

私のように「自分で働いて給料をもらう」時期から離れても、「また働こうかな」と戻ってきた時点でも、これからの人生まだまだ長い道のりだ。

世の中の「働き方」の形も年々変化しつつある。
「リモートワーク」の言葉自体、私が初めて知ったのが今の会社を知った時だった。「へぇ、進化してきたな」と一瞬で浦島太郎になっている私がいた。

浦島太郎の私が、リモートワークをしている。不思議な縁。
普通の人でもリモートワークが可能で、挑戦するハードルは最初知った時のイメージよりはるかに低かった。コロナ禍の影響で知名度も上がり、取り組む企業も一気に増えた。数年前では想像できなかった状態だ。

これから5年後・10年後…どんな働き方をしているか全く想像できないが、自分自身で納得した働き方をしていきたい。

いつか呪いの言葉が消えていきますように

世の中の「女性だけが家事・育児をするもの」という考え方が「お互い協力して家事・育児をする」考え方に変わりますように。

いろいろデータがあったが、いきなり「家事やってよ」なんて言うのも難しい。ゴミをまとめて、ゴミの日に出す。少しずつ無理のないところからお互いに協力しながら生活していこう。

家事分担をしている様子を見ている子供が「家事・育児=協力しながらするもの」と認識し、子供が成長していった未来には「結婚したら女性は家にいるもの」が死語のようになっていますように。

一日でできることではない。少しずつ呪縛から解き放たれるように動いていこう。

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