#1 発狂した宇宙
発狂した宇宙 WHAT MAD UNIVERSE
フレドリック・ブラウン 稲葉明雄 訳
ハヤカワ文庫SF 222
昭和52年1月15日発行 昭和55年12月31日 9刷
定価:360円
中学生頃から意識してSF作品を読むようになった当初は星新一、筒井康隆の短編が主だったが、徐々に長編にも手を出すようになった。
同時に、海外作品も読むようになり、この「発狂した宇宙」もその頃に読んだ一冊だったように思う。
小学校の図書館にあった筒井康隆編「SF教室」(ポプラ社)を読んだのがSFの入り口だったんじゃなかろうか。
その後、親戚の家で読んだ、これまた筒井康隆の「ミラーマンの時間」(いんなあとりっぷ社)。
そしてこの「発狂した宇宙」の解説文もまた筒井康隆で、なるほど俺のSF体験の源流には筒井康隆がいたのだなぁと思うのだ。
それはともかく「発狂した宇宙」は、読むにあたっていわゆる「ハードSF」と分類される科学知識が必要な小説ではなかったのは、まだ初心者だった自分にとってはありがたかった。
イマジネーションとユーモアが詰まった内容に引き込まれ、結局今でもその影響下にいるんだな、と自己再発見にもなる一冊であった。