実体験⑥病気、命に関わる人たち
「肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)です。」
医師は私の病名を告げた。
音声だけ聞くとよくわからなかったが、医師は、わかりやすい言葉で、わかりやすく説明してくれた。
だいたいのことはわかった。
血の塊が肺と心臓をつなぐ動脈静脈を塞ぎ、病院に運ばれてきた時には、心臓がつぶれる寸前だったとか。
そうだったのか、、、
だから、体中にこんなに管がついているのか、、、。
右脇に4本の点滴をまとめて入れているようだ。
右手首の内側は、採血する為の針が刺さり、手首を曲げないように固定の板と共に包帯が巻かれている。
尿の管。
紙おむつ。
口には人工呼吸器の管が喉を通り肺の入口まで通っているようだ。
鼻の左の穴には、栄養剤や薬を入れる管。
胸には3箇所に心電図のシール。
指先の爪には血中酸素濃度測定器。
両手は、人工呼吸器を自分で抜かないように拘束ベルト。
退院後に知ったが、記憶がない約1週間は、首にわりと大きな穴が開けられ、何かを入れていたようだ。
合計14の管などによるサポートに、沢山のスペシャリストたちが、私のたった1つの命に関わってくれていた。
医師、、、
医師とひとくくりに言っても、呼吸器内科、循環器内科、口腔、耳鼻咽喉科、精神科など。
看護師、薬剤師、栄養士、臨床検査士、臨床心理士、清掃スタッフ、、、
私が知らないだけで、まだまだ沢山の人がいたに違いない。
1つの命にこんなに沢山の人が関わってくれたのは初めてだ。
そして、自分の命に、こんなにも必死に向き合ったのも初めてだった、、、、。