氷菓子
先日、髪を切ったら、手紙を書きたくなりました
夜と夜の間、ビルとビルのその間、歩道橋。
君に会える気がして、数秒、止まっていたような。
蝉の合唱が、鳴けば鳴くほど、眠くなるくらいで。
その話、君なら、分かると頷き深き即答されそうな。
形を帯びて行く月は、時に優しく、時にザワザワして。
見上げなくても、共に満ち欠けて、過ぎることをただ思う。
そういう、記憶、なんとなく。
駐車場で氷菓子、それだけで、全部だったような。
水面に映る逆さたちが揺れている
その中でひとつだけ180°
同じ向きで目が合った
透明色の
見えなくてもよかった
それでも見つめたもの
髪を切ると、手紙でも書こうかと、思うのです