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未踏時代のリーダー論Vol.8応援団チアリーダー部 松岡梨菜子
立命館大学応援団チアリーダー部 "PeeWeeS!"(ピーウィーズ)は競技チアだけでなく、吹奏楽部とともに応援団に所属し、体育会各部の応援活動・外部からの依頼活動を行っている団体である。そして、部活動の運営などは全て学生主体で行っているため、全部員が役割をもっている。今回はその中で、副部長兼チーフという役職を担っている4回生松岡梨菜子さんにインタビューをした。
PeeWeeSの役職の決め方は、3回生の時に同回生のみで来年度の役割についてミーティングを行い、自分がどの役割をやりたいか、誰がどの役割に向いているかを同期で話し合う。役割を決める上で、ただやる気だけで判断するのではなく、その人に対する向き不向きを、何度もミーティングを行うことで、本当にその人で大丈夫なのかを判断して決めている。そして、松岡さんの担っている「チーフ」という役職はチームのなかで、日々の練習メニュー決めや試合中のハーフタイム演技を作る、といったことを主に担当しているため、重要な役割である。
憧れの先輩の背中を追って・・・
彼女はこの責任のある役割に自ら立候補をした。それは、彼女が1回生の時から「チーフ」というPeeWeeS全体を引っ張っている4回生の先輩に憧れを抱いていたからである。そして、憧れていた先輩と同じ役職について、チームを引っ張りたいと1回生の時から考え、実現させたのである。
「チーフ」は毎日の練習メニューを全て決め、進めているため、チームの中で毎日一番動く必要がある役職である。彼女は毎日の練習がただ練習しているだけではなく、部員全員がやりがいをもって楽しんで練習に取り組み、その日その日で全員が自分なりの目標を持つことができるような練習をしたい、という想いをもって「チーフ」になった。
みんなでできる時間を大切に、誰一人として欠けてはいけないチームへ。
チアリーディングは大会になると、人数規定がされてしまい、3チーム(A.B.C)に別れてしまう。そのため、大会シーズンになるとPeeWeeS全体での練習よりも、各チームごとでの練習が主になる。だからこそ、全員で一緒に演技することができる、ハーフタイムショーでは、AチームからCチーム関係なくPeeWeeS!全員で技を完成させ、演技を作り上げることで、全員が魅せ場をもてるように意識していると言う。1人でも欠けてしまったら演技が完成しない。彼女は演技ひとつ作るにも、部員全員が自分の存在価値を感じられるように考えている。
彼女は、1つのチームを作る上で、部員同士のコミュニケーションを大切にしている。現在PeeWeeSは4学年合わせて約50名で活動しているため、上回生の意見ばかりが通ってしまいやすい。そこで彼女は下回生にも積極的に話しかけ、普段からたくさんコミュニケーションを取り合うことで、先輩後輩関係なく、練習内容の提案をしたり、お互いに注意したりしやすい関係・環境をつくっている。
さらに、基礎練習などでは彼女が全て決めるのではなく、部員に何の技を練習したいかを聞き、それに合わせて練習を組む事もある。できる限り、部員の意見を尊重し、偏った練習にならないようにしている。
特に、チーフのような練習を進める立場の人が態度や顔に気持ちを出してしまうと、ついて行く側はとてもやりづらいし、意見を言いづらくなってしまうため、彼女は進める側の立場として、全員の意見を平等に聞くように心がけている。
競技チアでの優勝を目指して・・・
PeeWeeSはこれまで、競技チアの大会で良い成績を残してきたが、優勝やメダル受賞が毎年できているわけではない。彼女は、関西で見たら立命館は上位にいるが、全国的に見たらまだまだであると感じている。
特に、PeeWeeSは内部生やチア推薦などの経験者だけでなく、初心者も多くいるため、さまざまな意見を出し合ってより上を目指していきたい。
そのために彼女は練習方法を基礎から徹底することにした。大技ばかりに挑戦し、技を磨くよりもまずは、基礎的な体力や基礎技を固めることで、それぞれの成功率をあげられるようにしている。
しかし、基礎ばかりでは部員のモチベーションが下がってしまい、練習時間を無駄にしてしまうため、しんどい練習ではなく、楽しみながらトレーニングできるようなメニューを組むように心がけ、普段の練習をサーキットの様にして競走をしたりしている。さらに、最近チーム内で流行っているのは練習前のアップの一環でドッヂボールをしている。このように、練習をいかに楽しませることが出来るか、彼女は部員の気持ちを1番に考えながら練習メニューを組んでいる。
コロナ禍での困難を乗り越えて
PeeWeeSもコロナウイルスの影響を受け、全員で練習ができるようになるまで約半年の時間を要した。特に、新入生は全くわからない状況のまま、練習ができず不安を感じていた。
そんな中、自宅でもできる活動として、自粛期間中はzoomを用いて、コミュニケーションを取りつつ、筋トレを行った。ひと班5、6人でグループ分けをし、メンバーも1週間に1度変えることで色んな部員同士がコミュニケーションをとれるようにした。
しかし、全ての本番がなくなり、練習してた演技が見せられなくなってしまい、練習でもできる技が限られてしまい、彼女は何のためにチアをしているのか分からなくなることもあった。部員のモチベーションを保つことも難しく、何をすることが1番正しいのか不安になる事もあった。
そんな時に、彼女や他の同回生で、練習が始まったら何をしたいか、考えて言葉にするようにした。そうしたことで、練習再開が楽しみになり、さらにオンラインでトレーニングだけでなく、交流会を行い練習が始まっても新入生が不安にならないように工夫をしたことで、部活が始まってからも、モチベーション高く練習に取り組むことが出来ている。
今後の目指すチーム像
9月からようやく全員での部活が始まり、再スタートを切ることができた。11月には大会があるが、まだ練習できる技が限られている。そのため、まずは基礎をきっちり行っていきたいと彼女は考えている。また、年末には応援団の集大成となる本番があるため、全員でできる演技を必ず成功させられるように、今できることを全力でやっていく。
そして、彼女は「チーフ」として、みんなが楽しみ、全部員が活躍できるチーム作りをして行きたいと考えている。
ミライのリーダー達へのメッセージ
チームを引っ張っていく立場の人は、常に笑顔で全力で取り組むべきだと思う。みんなの前に立って指示する人が迷ってしまったら、ついて行く人もついていけなくなってしまう。
どんなことにも、自分が自信をもって行動することが1番大切だと思う。
とにかく自信をもって頑張ってほしい。
文:立命館大学AVA人材育成事業部 飯山美凪(産業社会学部3回生 応援団吹奏楽部)