![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33414225/rectangle_large_type_2_d2a51184085efdfd4a0dfe3266660d3b.jpeg?width=1200)
未踏時代のリーダー論vol.7 サッカー部女子主将 篠原みなみ
サッカー部女子は昨年関西学生女子サッカーリーグ2部で優勝を果たし、今年度の秋季リーグでは1部でプレーする。今までとは異なる舞台に挑戦するにあたり、主将はどのようにチームに向き合ってきたのだろうか。
篠原は高校の女子サッカー部では、周囲も実力揃いのメンバーがいるなかで自分の実力・意見に対して自信が持てなかった。立命大サッカー部女子で主将になった当初も、歴代の主将たちと自らを比較して悩む時もあった。
そこで、推薦理由にも挙げられた「誰とでも分け隔てなく接することができる」ことを強みに、自分なりのリーダースタイルを目指した。 初めに直面したのは、他のチームメートに頼ることの難しさであった。どこまで頼っていいのか、どうやって頼ればいいのか、同時に主将としての見えない重荷にも焦りを感じていた。始めは主将という責任ある立場に不慣れであったこともあり、自身と他のメンバー間で考えている量に差があると思い込んでしまい、「もっと考えて」と一方的に感じてしまう時もあった。しかし、他のメンバーからの「もっと頼っていいよ」という言葉を機に、自分が苦手なことをチームメートに頼りやすくなり、『部員全員で作りあげるチーム』として動き始めた。
さらに、サッカー部女子では部員数や四回生時の就職活動を考慮し、三回生が主将を務めることになっている。この点においても、主将としての立ち位置に難しさを感じる部分があった。下回生の気持ちは自身も経験してきたので理解しやすいが、4回生の就活の忙しさなどまだ自身が経験していないものに対しての理解や想像が追いつかないこともしばしばあった。 コロナウイルスの影響で部活動停止期間も、zoomMTGで戦術に関する意見交換を学年バラバラのグループディスカッション形式にしたり、回生横断を意識して行った。
目標の「インカレ出場」に対してどのようにチームとして動くべきか、迷う面も多くあった。一つは初心者と経験者の練習メニューが分かれていることである。篠原自身も高校ではスタメンで出る出場機会が少なかったが、大学ではスタメンで出る機会が多くなり、両者の立場を経験してきた。だからこそ、試合に出られるありがたみや両者のつらさが理解できた。
篠原は「立命大サッカー部女子の強みは、この大学からサッカーを始めるメンバーの存在だ。このメンバーたちは、今までサッカーをしてきたメンバーが意識しなくなってしまった初心を取り戻させ、自分自身を見つめ直させてくれる。また、サッカーの常識を覆すような意見や視点をもっているので、刺激をくれる。」という。
また、自己肯定感・自己重要感を高める機会の少なさがチームの課題として挙げられた。例えば、部員数が少ないことによるポジション争いの低さである。スタメンで出る選手が自分自身を認められたうえで、試合に出場すると感じにくいことがある。他にも、試合に出ることが当たり前になっていることで試合に出る喜びや自分自身の存在の必要性を認識しにくいことは、自信やモチベーションにも繋がるという点でも課題であった。
「なぜ2部で優勝できたのか?」と考えた時、ベンチメンバーの活気が真っ先に思いついた。そこで、篠原はチームとして底上げが重要だと考えた。初心者と経験者で練習メニューが分かれている中でも、お互いにプレーに対する意見交換をしたり、初心者のプレーヤーの練習メニューを経験者が作ったりするなど経験者自身も今まで以上に「する」ことだけでなく、「教える」ことの楽しさを感じながら、自身の経験をアウトプットする機会が増えた。オフ・ザ・ピッチの場面においても、下回生の1・2回生を中心に来年の新入生勧誘活動も行い、例年以上に反響があった。
メンバー1人1人が「チームのために」行動を起こすようになった。
ミライのリーダー達へメッセージ
周囲に対する巻き込みを大切にしてほしい。自分の考えをチームメートに伝えることで、自身のことを知ってもらうことからスタートし、お互いの考えを共有していくことが重要だ。リーダーとして難しく感じるかもしれないが、自身の失敗を語ることで相手の心の内を引き出せるかもしれない。また、自分の得意なものだけでなく、苦手でないものには積極的に取り組んでほしい。自分が苦手なことはそれを得意とする他のメンバーに素直に頼ることで、みんなで作り上げるチームを作ることができる。これは、チームスポーツの良さでもある。そのなかで、自分らしさを活かしたリーダー像を思い描いてほしい。
文:立命館大学AVA 宇佐美桃香(文学部2回生 体育会サッカー部女子)