ショートショート 放課後ランプ(410文字)
私たちが繋がった日のことを、昨日のことのように思い出せる。
お金のなかった私達は、学校が終わった放課後たくさん二人で遊んでベッドで一緒になったよね。
少し奮発して行ったホテルには、お洒落なランプが飾ってあって、その灯りを暗くしたときは幸せだった。
「結婚しよう。俺が幸せにする」
嬉しかったな。
学生時代から好きだった人と結婚して、周りからもチヤホヤされて、建てた新居にはこっそりランプを飾った。
貴方は覚えていなかったけど、見覚えあるはずなんだけどな。
ランプの力か、二人の子宝にも恵まれて、ずっとおしどり夫婦だったよね。
貴方は少しずつ、髪に白いものが増え始めて、私の顔にも皺が目立ち始めた。
「今も綺麗だよ」
そうやって声をかけてくれた貴方の言葉に救われました。
愛されてました。
にも関わらず、貴方は随分前から他に女がいたんですね。
それもこの寝室で事を済ませて。
さような。
頭部を強打され、夫は命は、妻の手で消された。
凶器はランプだった。
(410文字)
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お題 放課後ランプ
最後まで読んで頂きありがとうございました。