ショートショート 無人島生活福袋


「無人島に何か一つ持ってくとしたら何持ってく??」


「福袋」


「それってあり??」


「どうせなら楽しまないと」


「なんかさすがだね」


なんでこんなこと思い出しているのだろう。





「それでは最終面接、最後の質問です。無人島に何か一つだけ持っていけるとしたら何を持って行きますか」


「私はサバイバルナイフです。なぜなら…」


最終まで残れたけど、さすがにコイツらには勝てねぇ〜な。


まぁ、しゃーない。


帰って次の面接の準備して、それから…


墓参り行かないとな。


あぁ〜嫌だな。


なんでこうなるんだろ。


「どうせなら楽しまないと」


空耳だ。


遠くから彼女の声が聞こえる。


「どこか出かけるのも、仕事するのも、生きていくのも、どうせなら楽しまないとね」


ボーッとしている俺に面接官が質問していた。


「君は何を持っていく??」


「あ...はいっ…僕は…福袋を持って行きます」


「福袋??」


「どうせ行くなら楽しまないと。仕事も無人島生活も」


みんな笑っていたけど爽快な気分だった。

(410文字)

たらはかにさんの毎週ショートショートの参加しております。
お題 無人島生活福袋


楽しいお題で楽しく書けました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

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