ショートショート 音楽トリマー
「今月は誰をどのようにいたしましょうか」
「そうねぇ〜…まぁ、バッハのツインテールとかどうかしら」
「やってみますか」
「前回のベートーヴェンのベッカムヘアーは似合うと思ったんだけど」
「今の子供はそもそもベッカムを知りません。ソフトモヒカンと言わなければ」
私の指示通りに、副校長はAIを使って有名作曲家の髪型を変更してる。
副校長は元々、技術の先生だったからある程度ならAIを使いこなしてる。
私も元々、音楽の教諭だったけど、山あり谷ありで校長先生になれた。
それからは子供達にクラシックの良さを伝えたくて、音楽新聞なんて作ったけど全然読まれない。
モーツァルトもベートーヴェンもバッハも聴かないで大人になるなんてあんまりだわ。
だからまずは音楽に興味を持ってもらうために、音楽室の作曲家の髪型を変えてみた。
「ねぇ、知ってる??変な髪型のアイツ。母ちゃんに聞いたら、超有名なサッカー選手らしいよ」
作戦は大失敗のようね。
運命を聴き直そう。
(410文字)
好きな作品になりました(笑)
けど、こういうお題で恋愛ものも書きたかったですね。
最後まで読んで頂きありがとうございます。