ショートショート インドを編む山荘
私は少しでも家計の足しにするた編み物の内職を始めた。
山奥で働く旦那の事情もあり、私達は山荘に住んでいる。
「ただいま〜。編み物??」
旦那が帰ってきた。
「お帰りなさい。内職の続き」
「今はどこ編んでるの」
「南アジア」
「あの地域の人も最近は願い事結構あるからね」
「異文化交流??」
「かな??この前、インド人の留学生が日本のカレーがもっとスパイスにこだわりますようにって願い事あったよ」
「なにそれ(笑)せっかく私達に願い事するんだから大切なこと願いなさいよ」
旦那は神様である。もちろん私も神様。
人の願いを叶えたりするのが仕事。
「不景気でお賽銭も少ないし、今は科学が人のブームだから」
「人があんまり調子乗ったらギャフンって言わせちゃおうかな」
「えぇ??」
「編み物を適当にやって土砂災害起こしてやる(笑)」
「ダメダメ(笑)人がたくさん死んじゃう」
私の内職は国を編むこと。
穴の空いた国は天変地異や紛争が起きる。
だから私が編んであげて穏やかに繋げるのが仕事。
旦那は私に絵馬見せる。
「日本の神様は優しい」
旦那が見せてくれた絵馬はインド人の子供が書いたものだった。
やりがいを感じる瞬間だ。
「本当だね。よしっ、もう一仕事」
「えぇ、ご飯は??」
「すぐ作るから。一緒にインド地方だけ編んじゃおう」
「了解(笑)」
夫婦の神様は人のために山荘でインドを編んでいた。
(565文字)
たらはかにさんの毎週ショートショートの参加しております。
裏お題 インドを編む山荘
また少し長くなってしましました。
最後まで読んでくださった方々。
本当にありがとうございます。