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chiyoizmo
毎週ショートショート 文学トリマー
「文学トリマーねぇ〜」
部下のコンサルティング能力は一際目立つものがあった。
YouTuber、インフルエンサー、授かり婚、港区女子、フリーランス。
どんな状況もそれらしい言葉が浸透すれば世間は許してくれる。
実際に会社員と言っても無限の種類がいるのにも関わらず、大衆は常識のある大人と安心する。
同様に、親にご飯を食べさせてもらっている人も動画をアップしていれば、YouTuberとして許される。
個人事業主と肩書きを名乗るよりもフリーランスと名乗ったほうが仕事はスムーズだ。
大人達は自分が知らないって言えない心理を利用して得している人がいる。
彼は本当に策士だ。
編集者やフリーライターことを文学トリマーと名前を当てはめて流行らせることで、出版社の求人応募を増やす案件を成立させようとしているのだ。
きっとこの案件もうまくいくだろう。
「それでさ…この文学トリマーってネーミングは君が考えたの??」
「真実なんてどうでもいいんです。大切なのは結果を出し続けることです」
結果を出し続けるために、彼が大量の本を読んでいることは明白だった。
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たらはかにさんの毎週ショートショートに参加しております。
お題 文学トリマー
読んで頂きありがとうございました。