ショートショート 隔週警察
この町の名物、警官。慎吾。
「法律を破る奴はバカで逮捕される。だがな…仲間を売る奴は捕まらないがクソだ」
俺が中学校だった頃、補導されてときに言われた。
仕事は面倒だから早く片付けたいはずなのに。
「仲間との青春も大切。ただ一人でする勉強も乙だな」
俺は慎吾に会いたくて町の落とし物を届け始めた。
慎吾が誉めてくれると素直に嬉しかった。
友達曰く、慎吾さんは昔はすごく悪かったという噂が流れている。
極道と呼ばれている家に生まれたらしい。
「人のプライベートを詮索するなんて、将来はのぞきかストーカーだな」
隔週会っていた慎吾さんが別の地方に転勤することが決まった。
俺は勇気を振り絞り聞いてみた。
「慎吾さんはどうして警官になったの??」
「正義に憧れたからだけど…仕事はそう甘くないな。お前が友達のために、一人で喧嘩を挑んでるの見てると、たまになにが正義なのかわからなくなる」
言っている意味がよくわからなかった。
本当はこの町に居続けたいのかな。
「俺は喧嘩が好きなだけだよ」
「弱いくせにな」
「うるせぃ」
「お前、将来どうすんだよ」
「将来…」
中学生の俺には大人になったときのことなんて想像できなかった。
けどなりたい大人はいた。
「警官になるよ」
思わず、直感で言ってしまった台詞。
けど、これは正しい気がした。
慎吾さんは優しく微笑んでくれた。
「そうか…そうだよな…お前は真っ直ぐだな。俺もよりよくするために頑張るよ」
月日が経ち、最年少で出世してしまった慎吾さん。
本当に抜本改革を提案しはじめた。
そんな慎吾さんの背中は逞しく、中学生のときに憧れたままだった。
「本当に警官になったのか」
「はい!!」
「早く来い。待ってるぞ」
「ありがとうございます」
(704文字)
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裏お題 隔週警察
長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
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