ショートショート 夜からの手紙
朝様
拝啓
朝晩はまだ寒さが残っておりますが、普段と変わらずお元気そうでなによりです。
貴方は太陽の光を全身に浴びて、周りの人々を明るくすることのできる素敵な方です。
初めは周りを暗くし、活気を鎮める私をパートナーに選んだことを後悔しているのではないかと私の方が不安でした。
しかし貴方が相変わらず周りから愛されて、より一層明るさが増し私は少し安心しました。
逆に社会の暗い部分を私が引き受けて仕事をすることで、今まで嫌いだった暗い部分に少しだけ誇りを持つことができました。
ただ今回、貴方が夜に明かりを灯す存在に嫉妬していると手紙を頂き私は貴方の知らない一面に驚きました。
たしかに夜には妖艶な灯りが無数にあり、魅力的に映ることはございます。
しかし貴方の明るさに優る光などこの世にはございません。
貴方が一番お美しいでしょう。
これからも明るさのグラデーションを使い分けながら一緒に過ごしましょう。
今後もご活躍をお供させて頂きます。
敬具
(410文字)
たらはかにさんの毎週ショートショートの参加しております。
お題 夜からの手紙
今回はなんとか短くしました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。