◉23話 《アメリカと日本の教育の違いについて》
6年間の海外生活で得られた大きなもののひとつは”視野が広がり、新しい自分に出会えたこと”だと思う。
まだ留学したての18歳の頃のこと、今でもとても印象に残っている2つの授業があります。
どちらも違った意味でその後の私に大きく影響をもたらしました。
ひとつ目は、とあるディベートのクラスで”個人が銃を持つことは賛成か?反対か?” 。
教室を半分に区切りYES /NOに分かれて座るというものでした。
銃を持つ事自体怖い事なんだからNOに決まってる!と反対の方に移動するとクラスの3割ほどは賛成の方へ移動したのです。
同じくらいの歳のクラスメイトの、”銃を持つことで身を守ることができる”という意見には当時驚いたけれど、中には家族を銃で亡くした人もいて、日本で平和に暮らせている事は当たり前ではないんだとあらためて考えさせられました。
ディベートの授業は、この後自分が出した意見と逆の立場になり意見を述べなければならなくて、かなり頭も心も鍛えられました。自分はこう!と思っているのにその逆の立場になって考える事は結構難しい。
自分の当たり前が相手の当たり前ではないと知る事、相手の立場になって考える事、そしてそれをみんなでシェアする事は多様性を受け入れる心を育てる授業だったなぁと感じています。
(2つ目に続く)
東愛知新聞掲載日