【イタリア国立大学医学部の現実をちゃんと把握しよう】
御無沙汰しております。長らく更新しておらず、情報を楽しみにしてくださっている方々には申し訳なかったです。
10月3日、ついに待ちに待った現地イタリアへ到着し、到着翌日から在籍する現地医学部の講義を受け、現地生活にも慣れながら、5年生の4週間の病棟実習を12月、無事に終えました(これについては後日記載します)。
さて、去年に入り個人的にイタリア医学部進学についての問い合わせが多くなり、イタリア医学部を強く志望する方々も実際に増えました。その方々には出願方法、志望校などの相談についても受けました。
こちらの医学部へ実際に来て、新たな
<イタリア国立大学医学部情報の真相>
を集めたので、是非日本の皆さまに
シェアしたいと思います!
まず、
か!な!り!慎重に、考えなくてはいけません!
まず、一例として、留学生にとっては
一番人気のひとつ
【国立ミラノ大学英語医学部の真相】
について、紹介したいと思います
私立サン・ラファエレ大学医学部5年生の、僕の同級生に、何から何まで非常に親身に相談にのってくださる台湾人同級生の友達ができたのですが、彼女、実際に『ミラノ国立大学英語医学部 IMS Milano Statale』 に在籍していたそうなのです。以下、すべて、彼女が実際に直面した話で、数年前の情報ですがたかが、イタリア国立医学部なので、現在もあまり変わってない情報と僕は捉えます。
国立ミラノ大学医学部の1年生の履修科目は、生物、物理、化学、分子生物学、解剖学、生理学です。
そして、
1年生の試験は、年に3度ある
総合試験です。
科目別の定期試験ではありません。
これはどういう事かと申しますと、、、
まず、イタリアに入国し90日以上滞在する外国人は全て『Permesso di soggiorno 滞在許可証』というものを移民局へ申請・取得しなければなりません。そしてこの『Permesso di soggiorno』、
国立ミラノ大学とイタリア移民局との規定では、
1年後の滞在許可証更新のためには
『少なくとも2つ以上の試験を合格』
しなければなりません
これがどういう事か、お分かりでしょうか?
まず基本的に、この国立ミラノ大学1年生の各総合試験は、範囲が非常に膨大、且つ、各問題は非常に難易度が高く、とても1年以内に受かるのが難しいということなのです(前述したように、イタリアの大学では留年はなく、学年をまたいで何度も同じ試験を受け続けることができます)。
次学年の滞在許可証の申請のために、
非常に難易度の高い総合試験を
2つ以上、2年生に上がるまでに
合格しなければなりません!
何故かというと、この3つの試験のうち、1年生で2つの総合試験を受からないと
→ Permesso di soggiornoの申請が通らないかもしれない
→ もし通らなかったら Permesso の1年間の滞在許可の有効期限が切れる
→ それ以降イタリアにいると法律的には不法滞在になってしまうので、結果『帰国』するしかないのです
衝撃です。衝撃。なかなかな賭けですよね...。
VISA申請やPre-enrolment、等価証明書など、お金をかけてイタリア留学の為の大変な壁を乗り越えてきたのに...。
大学の名声などではなく、慎重にしっかりと進級関係、試験科目など、内部とシラバスを調べて第一志望を絞るべきです。
この事は、これまでの記事の中で、最も重要なことかもしれませんね!(TOT)
もう一つ、まさかの事実を発覚です...
英語で講義をする
『ミラノ大学国際医学部』なのに、肝心の
『留学生オフィス』のスタッフが
全員、英語が話せないのです!
頼る人もいないミラノで留学生として生活するゆえ、たくさんの相談事があるのに、相談したい留学生オフィスに英語が通じないのです...。
これはさすがに、
あんまりではないでしょうか。。。
留学生オフィスのスタッフ側としては、
国立大学職員なので給料は本当に少ない。
「こんな少ない給料で、英語まで頑張る必要、ある?」なスタンス
まあ、ごもっともですよね...。w
こんな悪循環な感じが、
イタリア国立英語医学部
真相はまだ他にも。。。
ミラノ大学解剖学教室の教授は
学生に対して
不公平で本当に意地悪
一度の総合試験に向けて、片っ端から解剖学書と生理学書を読み込み対策をした学生に対しての口頭試問(イタリアの大学の試験形態は基本的に口頭試問です)。
「この血管の直径と、この血管の直径は
何mmですか?」
全身の骨学、筋肉、神経解剖、血管、軟部組織の位置、名称、付着、役割を頑張って勉強した1年生の学生に、唯一の質問が、
コレ。
あんまりじゃないですか。。。
口頭試問というだけでかなり不公平で運なのに、
勉強の最後の最後で、コレ。
しかも私には来年のペルメッソが
かかっている!!(ToT);;
結局、その台湾人の友人は、2/3の総合試験を1年生以内に合格できず、僕のサン・ラファエレ大学へ再入学しました。サン・ラファエル大学は総合試験ではなく、科目別試験なので、滞在許可証のために、1年のうちで最低でも2科目の試験は、たやすく合格することができます。
僕が聞いた話は以上のみ、ですが、たった数年前の話なので、国立ミラノ大学医学部の内部はたいして変わってはいないでしょう。
みんなが憧れるミラノの国立大学医学部
イタリア国内医学部ランキングやTimes Higherでも例年、常にトップ3に入る医学部ですが
医学部内での事情はこんなもんです (^^;;)
ミラノ英語医学部の、毎年非常に多い自主退学者数、中退者数をみると、
なるほどなー、と思いました。
以上綴ったことは、在籍したことのある台湾人同級生が体験した話で、
信憑性は分からないですし、現在の事を知る手段のないのでアドバイスできない事は残念ですが、ひとつの参考にしていただければと思います。
(ミラノでこれだったら、ローマ以南の南部は、一体どうなってるんでしょうかね...。
(><;;) )
イタリアの憧れやランキング、楽しそうな街など、
楽しみと希望は大きいですが、
以前にも書いたように、
第一志望を決めるまではしっかりと、
試験形態、進級率、退学者数、英語での掲示板など、入念に調べる事をお勧めします。。。
英語の情報はいくらでもあります。
そして今の段階で、そのような情報をひとつでも英語で調べられないのなら、
海外の医学部へ
「業者なしのひとり」で行くのは、
やめといた方が無難。
という話であります。。。
久しぶりの投稿で、こんな衝撃な情報を書くのも心痛みますが、
イタリア医学部を強く勧める立場ではなく、
また、海外医学部進学を否定する側でもなく、
良くも悪くも、イタリア医学部の真実を
日本の皆さまに伝えることが、
僕のミッションだと考えています。
そこで!!
国立大学と比較し学費は高い(ハンガリー・チェコよりも高いが、日本私立医学部・英国・オーストラリア・アイルランドよりははるかに安い)ですが、やはり、無難な面と学生サポートの面、大学事務員、病院の先生方や教授さんが皆英語が喋れる大学があります!!それは、
イタリアの私立医学部です!
・僕のUniversità Vita-Salute San Raffaele
(イタリア最大の私立病院グループ Gruppo San Donato の大学で、診療科数、病床数、手術件数、救急疾患数、はイタリア最大のイタリア最先端病院のひとつです)
・同じくミラノの Humanitas University
(国立ミラノ大学医学部から分離した私立医大。解剖生理学の教授と試験評価がとても厳しく難しいらしい。)
・ローマの私立、例年イタリア医学部トップ5位以内の Università Cattolica del Sacro Cuore
(カトリック教私立大学の名門で、附属病院はローマ法王の病院です。イタリア私立医学部の中では最安で、早慶理工とほぼ同等。留学生でキリスト教徒でなくても、宗教学が必須科目です。が、私立医学部では最難関です。)
などです。
これらの大学附属病院は、どれもイタリアでも最先端で有名な病院ばかりです。先生方も教授方も医療スタッフも大学事務員も皆、英語が堪能です。留学生サポートもしっかりとしており、どんなことでも親身に相談にのってくれ、留学生用イタリア語クラスも充実しています。また、どの大学も科目別の定期試験で、Permesso di soggiorno の申請に支障をきたす事はほぼ、ないでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?