Aちゃんはなぜ泣き止んだのか
私はライフワークとして、七田眞氏の「魂の教育」をコツコツとお母さま方にお伝えしています。毎日、教室でたくさんの「心の子育て」の場面に出会います。
先日はこんなことがありました。
2歳児クラスでの出来事です。
Aちゃんはママとレッスン中、何やらグズグズとぐずり始めたようです。私はレッスンルームの外からAちゃんのぐずる様子をドア越しに伺っていました。「お母さまはどうされるかな?」と。
すると、
お母さまは、なきじゃくるAちゃんを優しく抱っこしてレッスン室の外へ連れ出し、
「泣いてもいいんだよ。落ち着くまで抱っこしているからね。」
と抱っこをしてあやされていました。
私は、Aちゃんのぐずりの原因に心当たりがあったので、お母さまにその原因を伝え、これからは対応を変えていただくようにお願いしました。
すると、どうでしょう。
『自分の心のうちに気づいてもらった』『自分のこの不安な気持ちに応えてもらった』『わかってもらえた』ことに安心したAちゃんは、ピタッとすぐに泣き止み、自分からいそいそとレッスン室に戻りました。
もし!
Aちゃんが自分の苦しい心のうちを泣いて訴えているのにも関わらずママに伝わらないどころか、ママが
「なんで泣くの?」
「せっかく来たんだからレッスンを受けましょう!」
「泣かないで」
「ちゃんと椅子に座りなさい」
「泣き止みなさい」
「もう、いい加減にしなさい」
「おなかが空いたの?」
「レッスンが終わったらジュースを買ってあげるから・・・ほらほら」
「帰ったら好きなビデオをみましょうね」
と、叱ったり、物で釣ったり、ごまかしてしまっていたら、どうなっていたことしょう?
Aちゃんとママの母子一体感は弱くなり、Aちゃんは、これから嫌なことや辛いこと、ママにわかってほしいことがあっても「泣いて」訴えることは少なくなるでしょうね。「どうせ、わかってもらえない」のだから。
七田眞氏直伝のレッスンは、そのプロセスにおいて潜在意識のフタを開けてしまいます。ですから、日ごろ我慢している気持ちや思いが急に出てくることがよくあります。
このことを知っておかないとトンチンカンな対応をしてしまうかもしれません。
母子一体感を傷つける落とし穴は、実は、日常の中にたくさんあります。
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