10種のピアノ弾いて思ったこと~ピアノの個体差と曲による感じ方の違い
ピアノ本体による音の個体差がこれほど大きい事に気が付いたのは大人になってピアノを再開してからだ。月1度程度のレッスンで、のんびり再開している私にでも十分に音の違いがわかることが、とても楽しかった。専門的に勉強されている方はおそらくもっと繊細に違いを楽しむ事ができるのだろう。
子どもの頃、ピアノを習っていて弾けるのは先生のピアノと自宅のピアノ、あと友達の家にあるピアノくらいだったが、なんとなく同じ曲を弾いても音が異なる事は知っていたが、これほど異なる事がわかったのは、様々なピアノを弾き比べる機会に恵まれたからだ。
現在の住まいから1時間程度の範囲でも、ピアノの時間貸し練習室を探すのが非常に容易で、再開して3年ほどだが、グランドだとYAMAHACシリーズ、Gシリーズ、ヤマハはAも弾いた。(小さなかわいいグランドピアノ)KAWAI、Boston、アップライトのディアパソン、ウェンドル&ラング等々、音の違いに驚き、そしてたくさんの楽器に触れられる環境に感謝した。全て揃えたら一体いくらかかるのだろう?文化的に豊かな都市にすまないとこれらを短時間で経験するのは難しいだろう。まだスタインウェイやそのほかの有名どころのピアノには触ったことはないのだけれども。
YAMAHA G5を初めて触ったときの感触、事前に色々調べすぎたせいか、何かもっとすばらしい何かが聞こえてくるのを期待しすぎたせいで、好みの音色ではなかった。ただ、大きいので「大きな」音が出ていた事は覚えている。
調律が難しいと評判の(?)、ディアパソンのアップライトを初めて弾いた時ちょっと感動してしまった。なんだこれは!
音色?音の幅のようなものが、他のアップライトよりも広く感じられた。
最初にG5を弾いてからディアパソンを触るまで1年ほどレッスンに通っている。G5を初めて弾いた時は自己流でポップスなどを弾いていたのだが、ディアパソンで練習していたのは、ベートーベンのソナタだった。
この頃一番いい音がするなと思ったのはなんと、最初に微妙だった、ヤマハのG5(最初に弾いていたものと全く同じピアノ)だった。G5は奥行き2メートルほどで、わりと大き目のピアノだ。
現在習っている先生のピアノがヤマハのGシリーズなので、それに耳が慣れたのかもしれない。また自分では自覚がないのだが、先生に最初の頃と弾き方が変わってきていますと言われた記憶がある。
テニスを続けると腕の長さが変わってくるように、ピアノを続ける事で関連する体の場所が細胞分裂を繰り返し、打鍵時の指や腕の動き、音を捉える耳からその音の好き嫌いを判断する脳になんらかの変化があったに違いない。
嫌いなものが増えるより、好きだと感じられるものが増えるのは幸せな事だと思うので、練習室のG5のピアノを触ることが「快」に変化した事はピアノ習って良かったことの1つだろう。