言葉の寿命

もしも一生のうちに
吐ける言葉の数が予め決められていたとしたら

わたしはどんな言葉をつかって
生きてきたんだろうか。

もっときれいな言葉だけをつかって
生きてこれたんだろうか。

それとも
到底思いつかないくらいの
憎悪に満ちた言葉を吐き続けたりしたんだろうか。

あの時、あのひとに
あの言葉をつたえておけばよかった

そんな後悔も
残りの言葉の数が分かっていれば
無くなっていたんだろうか。

言いたいことが言えずに悩んだり
言い過ぎたことに後悔したり
言うことが出来なくなって涙するのは
人間だけが持ち合わせている感情なのだろうか。

1の素敵な言葉より
10の汚い言葉が心を埋め尽くしてしまう

そんなことが
なくなるように

命に寿命があるように

言葉にも寿命があればいいのにな。