【短歌】心音
ひらかれた夏のミットを響かせて投げこんでゆく青いたましい
反発する磁極のようにひりひりと目を逸らしあう蝉声のなか
見えていた遮断機、だけど信じたいことがあるんだ 今だけ ここだけ
ゆっくりとその感情を飲みくだし入道雲のかがやきを云う
この場所に立ったらひとり 照りかえす白さのなかにまぶたを閉じる
土を噛むスパイクのピン 太陽を盗みとるまでのコンマ一秒
心臓で海が鳴ってる うなずいて答えるきみの声のしずけさ
心音と呼吸のしじま 胸を打つ拳が、声が、浮力をくれる
こんなにも心は明日へ走るから空の深みに音は吸われて
いっしんに海図をたどる目の奥にひかりつづける夏があること
毎週たのしみにしていたドラマ『下剋上球児』が終わってしまって、ざわついたままの気持ちをなんとか昇華させたく、短歌を作りました。
ふだんは旧かなを使っているのですが、ここはあえて新かなで。
好きが先走りすぎてるけど…われながら青すぎるけど…まあいいか。
今もまだ翔くんの心の変化のことを、その道筋を、彼がこれから選ぶであろう未来のことを考えている。
彼らの未来に幸あれ。
いいドラマだったなぁ…。