【短歌】庭
少女期のしめりを帯びし手のひらに十薬の白ほのかににほふ
火の気配するゆふまぐれ祖母の小枝のやうな外国煙草
雷魚日々乾びつつあらむ雨雲の過ぎたるのちの白き路上に
ほのぐらき八手の玉よ水びたしのこころにひらくみづいろの傘
金柑のあまたともれる庭にゐる さびしきものをかたへに置きて
初出『西瓜』第八号〈ともに〉欄
この連作は東郷雄二先生のサイト『橄欖追放』で取り上げていただいて、とても嬉しかったです。
ありがとうございました。
少しずつでも作歌を続けていこうと思う、力になりました。
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