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【質問内容】連帯債務の相対効・絶対効がよくわからない

科目:民法
テーマ:連帯債務

連帯債務の影響力は
原則 相対効
例外 絶対効
これはわかっています。

例えば、
連帯債務者の一人が時効完成前に債務承認をしても
承認は絶対効でないため他の連帯債務者に影響を与えない。

ここまでもわかる。

でも、
他の債務者の時効が更新していないため
消滅時効の援用ができる。

ここがわからない。

回答:使える知識にするための理解をしましょう。

 基礎的は部分の記憶はできていますね。
ですがその先の話になるとアレッと思ってしまうのです。
これは構造の理解をすればスルっとわかるようになります。
構造の理解と言うのは、
「カレー」と「肉じゃが」は同じとわかることです。
この二つは材料が肉、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎと同じ材料を使って料理します。カレールーを入れるか?砂糖、酒、醤油を入れるか?の違いです。構造の理解ができればその知識を使うのが、簡単になりますよ。

 では、事案を見ていきます。
時間軸で見ると、連帯債務者の一人が承認をしたのは時効完成前ですね。

時効完成前の債務承認はどのような効果がありますか?
時効により利益を得る者がおこなう権利承認は、「時効の更新」でありその効果は「今までの時効期間は無になり新たに時効のカウントが始まる」というものです。

そして、時効の更新の効力は、当事者及びその承継人においてのみ効力を生じます。(158条)
この場合だと債務承認をした債務者に効力が生じると言うことですね。

この効力が他の連帯債務者に影響を及ぼすか?
質問者さんが最初に「わかっている」と言った部分の原則の相対効となります。絶対効力が生じるのは『弁済・代物弁済、相殺、更改、混同、(他者の相殺権による履行拒絶)』です。

つまり、債務承認をした連帯債務者の効果は、他の連帯債務者には及ばないため、他の連帯債務者は自己の時効期間が満了したら時効の援用をすることができる。となります。

構造がわかると、違いがちゃんと見えるようになりますね。

回答は以上となります。
担当講師:岡 憲彦


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