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『フランチャイズに加盟する前に読もう』7.お得なFC加盟方法ってあるの?

適性や収益性の検討も終わりいよいよ加盟するFC本部の選択に向けて話を進めていきたいと思います。

わたし
各FC本部の契約書の条文はフランチャイズチェーン協会のガイドラインに沿って作られているケースが多いものの、近年、契約形態は多様化しています

相談者
徐々に加盟したい本部は絞り込まれてきたのですが、契約の種類がいくつもあるのでどれが良いのか分からないんです

わたし
契約形態のひとつひとつは、どれが良くてどれが悪いというものではなく、加盟を検討される方の資金力や経験などそれに合ったものを選択すれば良いでしょう


代表的な契約形態

代表的な契約形態をいくつか説明させて頂きます。外食FCではカニバリゼーション(同一ブランド間での競合・共食い)を避けるために商圏内で排他的な営業ができる範囲を「エリア」や「テリトリー」といった形で設定しそれを加盟金の対価とする本部もあります。

いわゆるエリア権と呼ばれるものです。この規定は法定開示書面に記載すべき項目となっていて、エリア権等を設定しているか否か、また設定している場合はその内容を記載するよう求めています。

出店後に売上が好調でも、近隣に同じチェーン店が出店すれば売上を落とすケースがある反面、近隣に競合他社が運営する店舗が出店してきて売上を落とすというケースもあります。

FC本部としては、協業他社に売上を奪われる前に近隣で良い物件が出れば、先手を打って自社の店舗を出店したいというのが本音です。

加盟店にとっても近隣でもう一店舗出店できればドミナント(優位に立てる)効果が働くこともあるでしょう。いずれにしてもこの権利設定の有無は加盟判断の重要ポイントだと思います。

注意点としては、エリア権が設定されている場合、加盟金が高くなる傾向にあることは確かです。また先にこの権利を取得してから物件を探し出す場合もあり、物件が見つからなかった場合のリスクにも配慮が必要です。

エリア権をいくつも持っているものの、出店は全くできていないといった待機者もおられますし、エリア権も高額なので、金利負担という面でも重荷になるので注意が必要です。

中食FCではもともと小商圏での営業を想定しているで、特にそういったエリア権の概念がなく、設定が無いケースが多くなっています。

中食FCに多い契約形態

逆に中食FCに多い契約形態として、店舗の設備は本部が用意して加盟者は使用料を支払うというものがあります。

資金力のある加盟者の場合、全ての費用を負担した方が、リターンも大きくなりますが、資金力がなければ、本部から店舗を借りて運営する方が初期投資が抑えられます。

この場合、設備使用料を何らかの形で請求されるので、リターンは小さくなります。本部としても資産を自社で持つコスト負担と、加盟者が上手くいかなかった場合のリスクを背負うことになります。

このコストが、加盟者の使用料に転嫁されるので、どうしても自己資金で賄う加盟者より収益性は悪くなります。

FC間(加盟者間)の転売

外食・中食FC問わずですが、最近は新たに店舗を作るのではなく、引退する加盟者の店舗を転売してもらってFC加盟するというケース(FC間転売)が増えてきています。

歴史のあるFC本部では、創業から既に50年程度経っています。そういったFCチェーンの加盟者の中には高齢の方も多く、優良店でも引退を機に転売されるケースも増えてきました。

こういった店舗は長年の実績に裏付けられた顧客基盤を持っていたり、地域の知名度が高かったり、新規加盟者にとって不足しているものを補ってくれます。

また、売上や利益についても、実績数値を開示してもらえるので、資金計画を考える上でも精度が高くなります。

購入資金についても、昔は営業権をつけて高値で転売されるケースも見受けられましたが、景気が長期的に低迷しているなか、残存簿価さえ支払えば、引き継げるケースも多くなってきいますので、新人加盟者にとってメリットが大きいように思います。

相談者
わたしも繁盛店を引き継いで加盟できると良いんですが、タイミングもあると思います。他にお得な加盟方法ってありませんか?

わたし
スーパーの特売のように誰が見てもお得と言えるFC契約はありませんが、それぞれの方に適した契約形態は存在します。焦らずじっくりと検討してください

リストランテ"TETSU"のホームページ


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