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『プチ田舎暮らしのススメ』53歳で会社を辞めてセミリタイアしてみた
53歳の冬に発症した、もやもや病の闘病生活を機に、11年間在籍し最後の4年間は社長を務めた会社を退職した。
田舎暮らしを始めた動機
もともと田舎暮らしをしたいと思っていたことや、50代に入り、このまま働き続けで歳を取っていくことへの漠然とした不安があった。
そして何より、都会での暮らしが元々肌に合わなかったように思う。
いわゆる典型的な「繊細さん」なので、周りの人が気になったり、余計な心配をしたり、仕事で活きた反面、病気になって振り返れば、知らないうちにストレスが蓄積されたのかも知れない。
そんなこんなで、始めた田舎暮らしとセミリタイアした仕事の話を、四季の変化を織り交ぜながら、発信していきたい。
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物件探しで考えた「インフラ」のこと
先ずは、田舎暮らしに必要不可欠な家の選択基準についてまとめます。どのような基準で田舎の家を探したのか、探しはじめた頃と最終的に購入を決めた時の判断基準は変化していた。
ポツンと一軒家の放送を観て、田舎暮らしに憧れる方も多いはず。私もそんな田舎暮らしに興味を持ち、実際に行動を起こしたひとり。
田舎の古屋探しをはじめた頃は、ポツンと一軒家のイメージに合致するような物件ばかり探していた。
その中で徐々に気づき始めたのが、田舎過ぎると利便性が悪いだけじゃなく、経済性や生命の安全確保という面でも問題があること。
インフラでは田舎で定番の地下水(井戸水)は近年、PFAS(有機フッ素化合物)の混入の問題が取り沙汰されている。そうでなくても毎年のように水質検査をしなければ、安心して利用することもはできない。
ガスはプロパンなので、都市ガスと比べて災害に強いと言われることがある。しかし、それよりも日々の暮らしの中では単価が高く、政府による補助も都市ガスのようには受けられないという理不尽さがある。
電気は都市部と変わらず使えるものの、電波はアンテナを設置してもNHKすら受信できず、有料の光回線が必要なケースがほとんど。
ちなみに、NHKに関しては電波が届いていなくても受電設備(テレビ)が家にあると受信料の支払いを請求される。
田舎暮らしの物件には、インフラに対する様々な問題があるので、地元の事情に詳しい不動産仲介の方に相談しましょう。
物件探しで考えた「安全」のこと
続いて安全面で考慮が必要なのが、土砂災害警戒区域や特別警戒区域に指定されているか否かの確認だろう。
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山のふもとに家がある場合、ほとんどは警戒区域に指定されていて、崖等があれば特別警戒区域に指定されている。この警戒区域の家を選択肢から外すとポツンと一軒家タイプで暮らすことは難しい。
河川が近い場合は、洪水浸水想定区域に指定されている場合が多く、土砂災害と合わせてリスクを見極めて移住を決断する必要がある。
最近は温暖化による異常気象が頻発し、田舎ほど自然に近い分、その影響をもろに受ける。土砂崩れで道が寸断されたり、大雪で除雪が後回しにされ孤立したりすることも心配。
多少の利便性の悪さなら、大自然の中で誰に気兼ねすることなく暮らせる喜びが勝るものの、安全面の不安を勘案するとポツンと一軒家のような極度な田舎については、選択肢から外れた。
田舎暮らし物件の理想像
ポツンと一軒家タイプではなく、第2の選択肢として浮上したのがプチ田舎暮らし。ほどほどの田舎加減で安全性も確保しつつ、都会にも1時間もあればアクセスできるといった感じ。
田舎暮らしを思い立ち、物件を探し始めてから1年が過ぎた頃に理想の田舎暮らし像が明確になり、それに近い物件(下の写真)がようやく見つかった。
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探しはじめた当初は見向きもしなかった物件。いくつもの物件を見ているうちに判断基準が変化して、改めてこの物件を見直すと、とても良い物件だと感じた。
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田舎暮らし物件の判断基準
物件を決断する判断基準は、
・土砂災害特別警戒区域に該当しない
・洪水浸水想定区域に該当しない
・上下水道が通っている
・平屋の一軒家(DIYするので古さは問わない)
・家庭菜園ができるスペース(50坪程度)がある
といったところ。
※NHKの電波は届いていない(^_^;)
物件の取得に向けた交渉
毎月のように能勢町に出かけて、物件を直接探して回ったり、地元の不動産屋さんに顔を出して、要望を伝えたり、地元の情報を聞いたり、色んなやりとりをした。
そんなことが1年も続くと地元の不動産仲介の社長とも気心が知れるようになった。ある時見つけた物件について尋ねたところ、あれば投資物件(賃貸)で自社が管理を受託しているということだった。
そのためこの物件を紹介されたことはなかった。ところが今回は、運良く入居者が退去する予定で次の借り手を募集するタイミングだった。
そこで社長から、物件の所有者に売却の交渉をしてもらうことができた。見知らぬ一見客だったら、そんな交渉はしてくれなかっただろう。
こちらから売却を打診したので、近隣相場よりも少し高めにはなったものの、非常に満足のいく物件を手に入れることができた。
マストではなかったがコンビニや食品スーパー、ホームセンター、銀行、農協、郵便局、飲食店が徒歩圏にあり、これはこれで重宝している。
周辺の状況はお隣さん(家の裏側)との距離が5メートルほどと田舎にしては近いものの、両横は空き地、前は通行量の少ない道路で人の往来はほとんどない。なのでほどほどの田舎感が味わえる。
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このプチ田舎の一軒家に引っ越してきて3年が経ちDIYが進むにつれて快適さが増して、良い感じに暮らしている。未だ都会生活に戻りたいと思ったことは一度もなく大満足。
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次回以降、田舎で快適に過ごすためのDIYや田舎ならではの四季の移ろいの美しさ等について配信予定🌸
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