カスハラ保険って役に立つの?
私が子供のころ有名な演歌歌手が「お客様は神様です」て言っていました。その影響では無いとは思いますが、「カスタマーハラスメント」が社会問題になっています。
「カスタマーハラスメント」とは顧客が企業に対して理不尽なクレームや言動をする事を言います。具体的には事実無根の要求や法的な根拠の無い要求、暴力的・侮蔑的な方法による要求です。
企業は従業員を顧客の「カスタマーハラスメント」から守る安全配慮義務があります。
ここからは、私の意見ですが、「カスタマーハラスメント」が起きる背景は日本人が優しすぎるからだと思います。日本人は争いごとが嫌いなので、曖昧に事を収めようとする傾向が強く、そこに付け入られるから「カスタマーハラスメント」が起きるのです。
私は以前、日系ブラジル人を顧客とした自動車保険を販売する代理店経営をしていました。そのころ、よく日系ブラジル人従業員から「社長、顧客が日本人の責任者を出せと言うので同席してください。」
私は、ポルトガル語が話せないので、日系ブラジル人の従業員と話し合えば良いのに、何故かと思っていたら、日系ブラジル人同士だと妥協点が見出せなくて、日本人の責任者は直ぐに妥協すると彼らは経験値で知っているからです。
私(直ぐに訴えてこいと相手方に言う事で有名な担当者でした)は違いますけど、一般に日本人は優しすぎる。それが「カスタマーハラスメント」が起きやすい原因だと思います。
ANAグループとJALグループが共同で発表した「カスタマーハラスメントに対する方針」では、基本方針・定義・行為例を定めて、「カスタマーハラスメント」に対して「毅然と行動し組織で対応する」とあります。
まさに、「毅然と行動して組織で対応する」これに尽きると思います。
この様な社会背景に応じて、損害保険会社各社は、企業系賠償責任保険の特約等で「カスハラ保険」を販売してます。中身は、「カスハラ」に対する弁護士費用を保険金で支払うものがほとんどで、付帯サービスとして、カスハラ対策の専門家に相談できる程度のものです。
個人的に「カスハラ保険」は、あっても良いけど無くても良い程度の保険でしか無いと思います。
肝心なのは、経営者が「従業員をカスタマーハラスメントから守る安全配慮義務がある」ことを認識して、「毅然と行動して組織で対応する」ことです。