Mr.前年同条件に気を付けろ(火災保険・水災補償編)
多くの損害保険は1年更新です。
皆様の損害保険の更新の時期に代理店から、こんな電話が掛かってきたことありませんか?「前年同条件で更新しても良いですか?」
ちょっと待ってください。
「前年同条件」って、どんな条件?
損害保険は、万が一の事態に備えて、広くお金を集めて事故が起きた人に保険金を支払う仕組みです。
当然、契約条件によって支払われる保険金は違います。
満期更新時期に、本当にこの条件で良いかどうか損害保険の募集人から説明を受けて契約する必要があります。
また、損害保険の募集人も保険業法により「情報提供義務」がありますから、契約者にわかりやすく補償の内容について説明する義務があります。
以前、大手損害保険の担当者による火災保険の勉強会がありました。その時担当者からこんな話を聞きました。
「令和3年7月1日土曜日の熱海土砂災害で、当社で加入している火災保険の建物が罹災しました。建物の保険金額は9億円。しかし、水災補償に加入していなかった。契約時に募集人はハザードマップを確認しなかったのでしょうか?契約者は補償内容を十分理解して契約したのだろうか?」
まさしく「Mr.前年同条件」の罠です。
熱海市や国土交通省が発表しているハザードマップでは、今回の土砂災害は危険地区とされていました。
契約者が火災保険の更新手続きをする時に損害保険募集人からハザードマップを元に水災の危険性を訴えて、水災補償を勧めていれば、9億円の保険金が受取れて再生できたのではないでしょうか?
残念ながら水災補償に加入していなければ、土砂災害による罹災で保険金は受取れません。いかに高い保険料を支払っていたとしても。
近年の災害の激震化により、災害発生時前から自分の住んでいる地域の危険度を認識してもらうために各市町村もハザードマップを充実させています。
ご自分の住んでいる地域に、どのような危険があるか認識して火災保険に加入していれば、このような悲劇は生まれないはずです。
また、大手損害保険では住所を入力すればピンポイントのハザードマップを作成してくれるサービスもあります。
火災保険の契約時には必ずハザードマップを確認しましょう。
「Mr.前年同条件」に気を付けて下さい。
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