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街路樹の枝が落下して男性が死亡(賠償責任保険)

先日ニュースで、東京都日野市の団地内の緑地で「樹木が何本も倒れていて、人が下敷きになっている」と、近くの男性から110番通報があり、高さ約10メートルの街路樹から太い枝が4~5本落下し、30代くらいとみられる男性が下敷きになって約1時間後に救助されたが、搬送先の病院で男性の死亡が確認された。と流れました。
亡くなられた男性のご冥福をお祈りいたします。

街路樹の枝が落下して男性が死亡した事故ですが、誰に責任があるのでしょうか?


街路樹の管理責任は誰か?

それは、街路樹の管理者が誰であるかで決まります。
団地内の街路樹と言う事で団地の管理組合が街路樹を管理していれば管理組合の責任になります。
この場合は、管理組合「施設賠償責任保険」に加入していれば補償の対象となり、管理組合が保険に加入していなければ、管理組合自身で賠償金を払わなくてはなりません。
また、街路樹が当該市町村の管理下にあるのなら、当該市町村の管理責任となり、国家賠償法により賠償責任を負うことになります。

国家賠償法第1条では、
「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責めに任ずる。」
とあり、街路樹の管理責任が市町村であれば、国家賠償法により亡くなった男性の遺族は当該市町村に損害賠償を請求できます。

市町村は賠償責任保険に加入している

本来、市町村は財政規模も大きく損害賠償請求されたとしても、それを議会が承認すれば賠償金を支払うことが出来るので、私個人の意見とすれば損害保険に加入する必要は無いと思いますが、実際には多くの市町村は、「全国市長会」「全国町村会」等の団体を通じて「総合賠償責任保険」に加入しています。

「総合賠償責任保険」は大手損害保険会社が引受けており、先ほどの亡くなられた男性の遺族が街路樹を管理している市町村に損害賠償請求をしたとすれば、その市町村が「総合賠償責任保険」に加入していれば、引受会社である大手損害保険が窓口となり事故処理をする事になります。

男性の死亡の賠償金額については、私のnote「損害保険の命の値段」

をご参照ください。

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