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「訴訟大国」が招く公園の遊具がなくなる社会は正しいのか?

先日、インターネットで沖縄市浦添市の公園の遊具が半分使えなくなっていると言うニュースを読みました。沖縄県浦添市は人口11万人程の市で、市の公園の遊具の116基全体の56%(2024年9月現在)が使用不可とされ、事件現場にあるようなテープで巻かれている状態だそうです。
沖縄県浦添市のホームページでは遊具は順次、整備していくとありますが、人員や予算の関係で遅々として進まないのは想像できます。

何故この様な事態が起きたかと言うと、2014年12月同じ沖縄県浦添市にある商業施設の遊具で当時7歳の男子が遊具から落下して重傷を負い、重度の後遺障害が残った原因を遊具を運営していた商用施設が安全管理を怠っていた為として約3億4400万円の訴訟を起こしました。
2023年11月に沖縄地裁は、商業施設の運営会社の過失を一部認めて、約3913万円の賠償金の支払いを命じました。この裁判は控訴審で争い中です。

この判決を受けて、沖縄県浦添市は公園の遊具の安全基準を厳しくして、この安全基準を受けて、半分以上の遊具が使用不可となりました。

この様な状態が「訴訟大国」が招く社会の姿ではないでしょうか。
重度の後遺障害を負われた男子には気の毒とは思いますが、その親の商業施設に対する訴訟によって沖縄県浦添市の公園の遊具が半分使えなくなるのは、正常な社会と言えるのでしょうか?

「沖縄の噂話」では、この件について様々な子供を持つ親御さんの意見が書かれてましたが、多くは「親自身の管理責任を棚上げして、商業施設に賠償するのはどうなんだろう?」と言う意見でした。

先日は同じように保育園が訴えられた「保育園の高額賠償判決に思うこと」noteを書きました。そちらを参照して下さい。
https://note.com/risk_m/n/n9b99cbfad47b

損害保険の話をしますと、訴えられた商業施設が「施設賠償責任保険」に加入しているならば、訴訟費用はもちろん、判決が確定すれば、賠償金も保険で支払われます。

社会生活を営むにあたって「ゼロリスク」の社会は不可能です。リスクをどこまで許容して、誰がリスクを受け止めるのか、難しい問題ですね。


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