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リフォーム業者逮捕と火災保険
リフォーム会社の代表の男ら逮捕
ネットのニュースによると、
「火災保険を申請すれば実質無料で修理ができる」虚偽の内容伝えて住宅
リフォームに勧誘したとして、東京のリフォーム会社の代表の男ら4人が
逮捕されました。その会社は、同様手口で全国約3000件・約13億円を売り
上げていたとありました。
この会社のホームページを見に行くと有名な女性俳優が公式アンバサダーとして起用されていて、とても詐欺を働く会社には見えません。
女性俳優も詐欺会社の公式アンバサダーって、いい迷惑ですよね。
損害保険協会のホームページには訪問販売業者で、火災保険を申請すれば、屋根の修理が実質無料で出来ると嘘の説明をして、修理契約を結び、結果的には保険金が出なかった事例が多発していると注意喚起をしています。
この様な詐欺が多発している背景には、火災保険の保険金がとても簡単な手続きで支払われる事にも原因があると思われます。
保険会社は、基本的に契約者を信じて行動します。しかも、支払担当は数多くの事案を抱えているので、
事務的に書類が整っていれば保険金を支払います。
また、仮に詐欺かもしれないと思ったとしても、それを立証して保険金を支払わない選択をする方が費用が多く手間も掛かるので、
よほどのことが無い限り免責(保険金を支払わない)選択はしません。
契約者も詐欺罪?
そこに、悪徳業者が付け込んで、この様な詐欺が横行しているのです。
契約者も事故でもないのに業者の言われるがままに保険金請求をしたならば、それは詐欺の片棒を担いだことになり、刑法第246条に規定されている「詐欺罪」の共犯になる可能性があり、最悪、同罪で有罪となれば10年以下の懲役刑を受けることとなります。
正しい損害額とは?
詐欺とまではいかなくても、保険適用できる事故が発生した場合は、修理業者は通常より高額な修理費を請求することがあります。
特に大型台風が来た後の保険金請求は損害保険会社側も多くの事故を処理しているので通常の様なきめ細やかな損害査定が出来ないので、
例えば「損害額が100万円以下は、書類が整っていたら保険金を支払う。」の様な規定のもとに、どんどん保険金を支払うので、修理業者もそこに付け込んで高額な修理費を要求するのです。
また、リフォーム業者を相手に、いかに損害保険会社から高額な修理費を請求するかをレクチャーするセミナーも開催されていると聞きます。
確かに正当な権利を主張するのは良いのですが、
日本人の美徳は、何処へ行ってしまったのでしょうか?
自分だけ儲かれば全体の利益はどうでも良いのでしょうか?
この様な行為が蔓延すれば、損害率の悪化により保険料が値上がりして
皆に迷惑がかかります。
最悪のケースは保険がなくなることだってあるのです。
めったに起こらない事故の時に役に立つ保険という相互扶助の精神に立ちもどって、詐欺行為は論外ですが、過剰な請求も慎んでもらいたいものです。