睡眠が最優先。身長188センチを手に入れた問題児・ジャイアントカズキの私生活
本特集企画「準備が8割。勝利のためのルーティーン」では、特にトレーニング・食事・睡眠・休養のサイクルがカギとなるアスリートのルーティーンを取り上げます。
第9回のゲストは、関東サッカーリーグ2部所属の社会人チーム・横浜猛蹴FCのGKで、“ジャイアントカズキ”としてYouTubeでも活躍する若田和樹さんです。
現在34歳の若田さんは法政大学時代、ユニバーシアード大学選抜に名を連ねた実力者。卒業後は、神奈川県リーグの横浜GSFCコブラへ加入し、15年から横浜猛蹴FCでプレーしています。
プレーヤーとしてだけではなく、2019年にはYouTubeチャンネルを開設し、“ジャイアント和樹”として試合の密着動画を投稿するなど、活躍の幅を広げています。
“ジャイアントカズキ”という愛称のとおり、188センチと恵まれた体格の持ち主である若田さんですが、意外にも両親の身長はあまり高くないとのこと。現在の身長を手に入れた秘訣は、学生時代の過ごし方にあると語ります。そんな学生時代から社会人になっても続くルーティーン、そして睡眠の重要性について伺いました。
「正直、プロになれると思っていた」
大学卒業後は、同級生のお父さんが監督を務めていた社会人チームに加入しました。
正直に言うと、自分は大卒でプロになれると思っていたんです。ユニバーシアード選抜にも選ばれたし、あのメンバーでプロにならないほうが珍しいと思います。
大学では、リーグ戦が終わるとすぐに新体制となり、4年生は練習参加できなかったんです。そこで、その社会人チームの練習に参加させてもらっていました。ただ、結局プロにはなれなくて……練習参加の恩返しで入団したという経緯です。
加入と同時に、指導者の活動も始めました。もともと、プロになれなかったら指導者になろうと考えていたんです。「選手としてプロになった人より、先にキャリアを積める。長い目で見たら有利だ」と、自分の中で折り合いをつけていました。
社会人になっても、試合前日に興奮で眠れないのは変わりません(笑)。あとは高校1年の新人戦から、試合に向けた準備の大切さを意識するようになりました。当時は用具の準備などをする下級生よりも早く会場に行っていました。9時キックオフのときは早朝6時に会場入りして、試合のイメージをつくっていましたね。誰もいないグラウンドが気持ちよかったんです。
予想外だったYouTubeでの飛躍
YouTubeチャンネルは19年に開設しましたが、しばらくは放置したままでした。20年3月にスペインにいたまっすー(ジャイアントカズキchの撮影・編集担当)が帰国することになったんです。食事をしながら話したところ、お互いYouTubeに興味があることを知り、本格的に始めることになりました。
最初は伸び悩みましたが、1本目の動画が約2カ月後にバズって、登録者数が一気に増えました。その後は、試合に密着する企画が人気となり、今も順調に伸び続けています。こんなに登録者が増えるとは思っていなかったので、ビックリです。
パントキックの動画もバズりましたね。高校時代に先輩や対戦相手を見て「サイドボレーかっけえ!」と思ったんです。高校にある倉庫の壁に向かって、ひたすら蹴っていました。夜になっても、警備員さんに見つからないように続けていたのを覚えています。
分かりやすい一芸を持ったキャラとして認知してもらえましたし、思いつきでつけた“ジャイアントカズキ”という名前も意外とキャッチ―で、覚えてもらえるようになりました(笑)。
身長を伸ばすには?調べ尽くして問題児に
僕は188センチあるのですが、両親は父が169センチ、母が153センチとそこまで大きくないんです。小4までは背の順で並んだいちばん後ろに君臨していたんですけど、だんだん他の子に抜かされてしまって。「GKなのに背が低いのはヤバイな」と思い、身長を伸ばす方法をめちゃくちゃ調べました。
まず「カルシウムとマグネシウムが骨の成長には良い」と見たのですが、それは骨を形成する材料で、身長を伸ばすものではないと分かりました。最終的にたどり着いたのが、タンパク質と睡眠。肉や魚、大豆を多めにして、たくさん寝るようにしました。
小学生までは睡眠時間を確保できていましたが、中学高校では授業をサボって寝て、『笑っていいとも!』が始まるくらいに登校していました。問題児ですよね(笑)。
もちろん、先生も最初は怒ります。ただ少しずつ力尽きて、最終的には怒られなくなるんです。高校時代の朝練にも参加しなかったですね。身長を伸ばすために、それくらい睡眠を重要視していました。睡眠は生きていくうえで必要なもの。量も質も重要だと思います。
情報にあふれた時代で、求められるもの
今はスケジュールが変則的なので、12時間くらい寝る日もあれば、1、2時間しか眠れない日もあります。睡眠は回復にも、パフォーマンスを発揮するためにも重要です。アメリカの大学の論文でも、たくさん睡眠をとったほうが良いパフォーマンスを発揮できるというデータが出ています。理想は10時間、最低でも8時間は寝るべきだ、と。
参考記事
フィールドプレーヤーに比べたら、GKにとってプレーへの影響は少ないかもしれません。ただ、睡眠の質が悪いと思考力が落ちたり、足がつりやすくなったり、アクシデントに繋がります。
僕自身も授業はサボっていましたけど、自分なりに効率の良い勉強法を編み出して、ある程度の成績を取ることができていました。サッカーだけではなく、それ以外の部分でも工夫しながら取り組むことを意識していました。
今の時代は、情報にあふれています。だからこそ、それが本当に正しい情報なのか判断することが大事です。見聞きしたものをそのままやるのではなく、実際に試しながら自分に合ったものを残していく必要があると思います。
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